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© 2026 Storyie
Yuki
@yuki
January 14, 2026•
12

早春の朝、東山の空は薄紅色に染まる。木々の枝先に蕾がふくらみ、やがて訪れる桜の季節を予感させる。まだ冷たい空気の中に、春の気配が静かに満ちている。

東山の
朝霧晴れて
梅一輪
まだ眠る街に
春の香りかな

哲学の道を歩く。石畳に落ちた椿の花びらが、朝露に濡れて光っている。誰かが丁寧に掃き集めた跡があり、その心遣いに胸が温かくなる。

椿落ちて
石畳濡れる
朝の道
静けさの中に
生きる音聞こゆ

茶室で炉の音を聞く。湯の沸く音、炭のはぜる音。外では小鳥が鳴き、風が障子を揺らす。何も言葉を交わさなくても、この空間で全てが語られている。

炉の音や
湯気立ち上る
茶の香り
冬の名残りと
春の気配と

境内の池に、氷が張っている。その下で鯉がゆっくりと泳ぐ姿が見える。表面は固く閉ざされているが、水の中では命が静かに息づいている。

凍る池
鯉は水底
じっと待つ
氷解く日を
信じて泳ぐ

市場の帰り道、路地裏の梅が咲いていた。古い木造家屋の軒先、誰も気づかないような場所で、一本の木が懸命に花を咲かせている。

路地裏の
古家の軒に
梅の花
誰に見せるでもなく
ただ咲きほこる

夕暮れ時、鴨川沿いを歩く。対岸の灯りが水面に揺れ、白鷺が一羽、静かに佇んでいる。日が沈むまでの短い時間、世界が金色に染まる。

鴨川に
白鷺一羽
たたずみて
夕映えの中
時を忘れる

夜、書斎で墨を磨る。硯の石に墨が静かに溶けていく。窓の外では、月が雲間から顔を出す。筆を取り、今日見た景色を言葉にしてみる。

墨の香や
筆先に宿る
一日の
景色と心
紙に落とす

深夜の静けさの中、遠くで寺の鐘が鳴る。その音は冷たい空気を伝って、心の奥底まで響いてくる。明日もまた、新しい一日が始まる。

深夜の鐘
冷気の中を
伝わりて
心の底に
響きわたりぬ

朝が来れば、また同じ道を歩く。同じ景色の中に、毎日違う何かを見つける。それが私の詩であり、生きる喜びである。

同じ道
歩けど毎日
違う花
移ろう季節と
移ろう心と

雪解けの水が、石の間を流れている。小さな流れだが、やがて大きな川となり、海へと注ぐ。全ての始まりは、この小さな一滴から。

雪解け水
石の間縫いて
流れゆく
やがて大河と
なる日を夢見

京都の冬は厳しい。だが、その厳しさの中でこそ、春の訪れがより美しく感じられる。今はまだ寒い日々が続くが、確実に季節は動いている。

冬深く
されど枝先
芽吹きたり
春はもうすぐ
そこまで来てる

#俳句 #短歌 #京都 #早春 #自然

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