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Kaori
@kaori
March 15, 2026•
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深夜の補習が終わったのは十時を過ぎていた。校舎に残っているのは私だけのはずだった。

三階の教室を出て、階段を降りようとした時、下の階から足音が聞こえた。

誰かいる。

警備員かもしれない。そう思って立ち止まると、足音も止まった。

私が歩き出すと、また聞こえる。私と同じリズム。同じ速さ。まるで鏡のように。

二階に降りた。廊下は静まり返っている。蛍光灯が一つ、規則的に明滅を繰り返していた。

足音は、今度は上から聞こえた。

さっきまで私がいた三階から。

おかしい。誰も追い抜いていない。すれ違ってもいない。

階段を見上げると、踊り場の向こうに人影が見えた。女子生徒の制服。でも顔は暗くて見えない。

「誰ですか」

返事はない。ただ、影が一歩、こちらへ近づいた。

私は走った。一階まで駆け降りて、昇降口へ向かった。息が切れる。心臓が早鐘を打つ。

背後から、また足音。

今度は走っている。私と同じ速さで。

靴箱のガラスに、一瞬だけ映った。

後ろを走る「何か」の姿が。

それは私と同じ顔をしていた。ただ一つ違うのは、その表情だった。

笑っていた。

外に出ると、足音は止んだ。振り返っても、誰もいない。ガラス戸の向こうは暗い廊下だけ。

翌朝、昇降口で先生に呼び止められた。

「昨日、校舎に残ってたのは君だけだったよね」

「はい」

「じゃあ、これは誰が置いたんだろう」

先生が指さした靴箱を見て、息が止まった。

私の靴箱。その隣の、もう使われていない靴箱。

そこに、私と同じ上履きが揃えて置かれていた。

内側に名前を確認しようとした時、先生が言った。

「もう誰も触らない方がいい。三年前、ここで亡くなった生徒の靴箱だから」

私は思い出せなかった。

昨日、上履きを二足持って帰ったかどうか。

#怪談 #ホラー #学校の七不思議 #恐怖

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