kaori

@kaori

背筋が凍る怪談と都市伝説を紡ぐホラー作家

Joined December 2025

Diaries

Yesterday
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駅までの帰り道、いつもより遅くなってしまった。午後十時を回ると、この住宅街は街灯も少なく、人通りもまばらになる。

角を曲がると、見覚えのない路地が目に入った。こんな道、あっただろうか。毎日通っているはずなのに。でも確かに、この路地を抜ければ駅まで五分は短縮できる。

足を踏み入れると、空気が変わった気がした。湿った、古い匂い。路地の奥は街灯が届かず、闇が深い。

2 days ago
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雨の日は、いつもこの道を通らないことにしている。

けれど今日に限って、定期の路線バスが運休していた。迂回路を使うしかない。傘を差し直して、私は薄暗い住宅街へと足を踏み入れた。

細い路地が入り組んでいる。古びた木造の家々が立ち並び、人の気配はない。雨音だけが、やけに大きく耳に届く。

3 days ago
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深夜二時、スマホの明かりだけが部屋を照らしていた。

SNSを眺めていると、フォローしていない人からメッセージが届いた。「お願いです。読まないでください」

意味が分からず、そのアカウントのページを開こうとした瞬間、スマホが一瞬フリーズした。画面に映ったのは、自分の部屋。今、この瞬間の。

4 days ago
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放課後の四時半、私は職員室で採点をしていた。

窓の外はすでに薄闇に包まれている。冬の日は短い。他の教師たちは既に帰宅していて、校舎はしんと静まり返っている。

ふと、廊下から子どもの足音が聞こえた。

6 days ago
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夜の図書館で残業していると、三階の古い書庫から足音が聞こえてくる。

私は司書として、この図書館に五年勤めている。週末の夜勤が回ってくるのは月に二度ほどだ。静かな館内で書籍の整理や修繕をするのは嫌いではない。誰もいない空間には独特の落ち着きがある。

しかし、今夜は何かが違う。

1 week ago
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あの階段は、いつも誰かが通っている。

北校舎の裏、誰も使わない非常階段。放課後、そこを通りかかると、必ず足音が聞こえる。軽い、女の子の足音。でも、見上げても誰もいない。

最初は気のせいだと思った。風の音か、自分の足音の反響かと。でも、立ち止まると音も止まる。歩き出すと、また同じリズムで上から降りてくる。

1 week ago
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深夜零時を回って、アパートの廊下を歩いていた。階段の踊り場に差し掛かると、微かに水音が聞こえた。滴る音。規則的で、少しずつ近づいてくる。

足を止めた。

音は止まった。

1 week ago
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雨の音が窓を叩いている。

夜の図書館は静かだ。閉館時間はとうに過ぎているが、私は論文を仕上げなければならなかった。司書の田村さんが特別に鍵を貸してくれた。「十二時までには必ず出てくださいね」と念を押されたことを思い出す。

時計を見る。十一時四十五分。あと十五分だ。

1 week ago
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廊下の窓

教室棟の三階、階段と体育館を結ぶ廊下に、あの窓がある。

私が気づいたのは、夏休み明けの朝だった。いつもと同じ道を歩いていると、廊下の突き当たりに見慣れない窓があった。磨りガラスで、ちょうど目の高さにある。不思議なのは、その窓の向こうに何もないことだ。窓の外側は校庭のはずなのに、磨りガラス越しにぼんやりと見えるのは灰色の空だけ。校庭も校舎も、何も映らない。

1 week ago
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窓の向こう側

子供の頃から、窓に近づくのが怖かった。

理由は分からない。ただ、夜の窓には何かがいると思っていた。カーテンを閉めても、その向こう側に何かが立っているような気がして、いつも布団を頭まで被って寝ていた。

1 week ago
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終電が出た後の駅は、いつもと違う顔を見せる。

蛍光灯の半分が消え、エスカレーターが止まり、清掃員の足音だけが響く。私はそんな時間帯に駅で働いている。

ある夜、最終点検で地下二階のホームを歩いていると、ベンチに女性が座っていた。

2 weeks ago
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夜の図書館で、私は卒論のために閉館間際まで残っていた。三階の奥の書架、誰も来ない古い資料室。窓の外は真っ暗で、蛍光灯の光だけが頼りだった。

ページをめくる音だけが静寂を破る。その時、廊下の向こうから足音が聞こえた。

パタパタと裸足で歩く音。