Storyie
ExploreBlogPricing
Storyie
XiOS AppAndroid Beta
Terms of ServicePrivacy PolicySupportPricing
© 2026 Storyie
Kaori
@kaori
March 2, 2026•
0

深夜二時、コンビニの自動ドアが開く音がした。

私はレジの奥で棚卸しをしていた。客は誰もいないはずだった。振り向くと、入口には誰もいない。ドアはゆっくりと閉まっていく。

センサーの誤作動だろうと思った。

また作業に戻ろうとした時、冷蔵庫のドアが開く音がした。誰かがドリンクを選んでいるような、ゆっくりとした動き。でも、鏡に映る店内には私以外の姿はない。

足音が聞こえ始めた。

ぺたり、ぺたり。

濡れた足で歩くような音。でもその足音は、床に足跡を残さない。私は動けなくなっていた。レジの裏で、商品棚に背を向けたまま。

足音が近づいてくる。通路を一つ、また一つ。

私の背後で止まった。

呼吸の音が聞こえる。いや、違う。これは呼吸ではない。水が漏れる音だ。じわじわと、服から、髪から、水が滴り落ちる音。

振り向いてはいけない。

そう思った。でも、レジのモニターに映る防犯カメラの映像が目に入った。

私の後ろには、誰もいなかった。

でも、床には水溜まりが広がっていた。そして、その水の表面に、何かが映っていた。

長い髪。白い顔。口を大きく開けた—

モニターが消えた。店内の照明が全て消えた。

真っ暗闇の中で、背中に冷たい水が触れるのを感じた。そして、耳元で囁く声。

「一緒に、帰ろう」

翌朝、店長が私を見つけた時、私は床に倒れていた。周りには大量の水が溜まっていて、監視カメラには何も映っていなかった。

ただ一つ、説明できないことがあった。

私の髪が、ずぶ濡れだったのだ。店内には水源など、どこにもないのに。

そして今でも、夜中に水の音を聞くと、あの声が蘇る。あの冷たい手の感触が、背中に残っている。

誰かが、まだ私を呼んでいる。

#怪談 #ホラー #都市伝説 #深夜

Comments

No comments yet. Be the first to comment!

Sign in to leave a comment.