朝、目が覚めたとき、部屋の空気がいつもより冷たく感じた。窓の外からは雀の声が聞こえて、その鳴き声が妙に澄んでいる。冬の朝特有の静けさの中で、音がまっすぐに届いてくる感覚。布団の中で少しだけその音に耳を傾けてから、ゆっくりと起き上がった。
今日は久しぶりに、何も予定のない土曜日だった。特に何をしようという計画もなく、ただぼんやりと時間を過ごすことにした。コーヒーを淹れながら、「今日は何もしない日にしよう」と心の中で決めた。けれど、何もしないというのは、案外難しい。気がつくとスマホを手に取ってしまっていたり、片付けを始めてしまったり。何もしないということに、こんなにも意識を向けないといけないなんて、少し不思議だと思った。
午後、本を読もうと思って手に取ったけれど、なかなか集中できなかった。文字を追っているのに、頭の中では全然違うことを考えている。「あれ、今何を読んでたんだっけ」と何度も同じページを読み直す。焦らずに、もう一度最初から読み直してみた。そうしたら、少しずつ物語の世界に入っていけた。急がなくていい、と自分に言い聞かせる。
夕方、散歩に出た。いつもの道を歩きながら、ふと足を止めて空を見上げた。薄い雲が広がっていて、太陽の光が柔らかく差し込んでいる。誰かが言っていた言葉を思い出した。「立ち止まることも、進むことの一つだ」。その言葉の意味が、今日はなんとなくわかる気がした。何もしない時間、立ち止まる時間があるから、また歩き出せる。そんなふうに考えると、今日の何もしなかった時間も、無駄じゃなかったように思えた。
もしよかったら、今日寝る前に5分だけ、何もせずにただ呼吸に意識を向けてみてほしい。何か考えが浮かんできても、それをそっと横に置いて、また呼吸に戻る。それだけでいい。何かが変わるわけじゃないかもしれないけれど、自分の中の静けさに触れられるかもしれない。
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