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Kaori
@kaori
March 6, 2026•
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深夜二時、私は古いアパートの階段を上っていた。三階に住む祖母の部屋へ向かう途中、二階と三階の間の踊り場で足を止めた。

そこに、小さな窓がある。

昼間は気にも留めなかったその窓から、今夜は微かな光が漏れている。月明かりだろうか。近づいてみると、窓の向こうには何もない。ただの壁だ。このアパートの構造上、窓の外側には隣の建物の壁しかないはずだった。

それなのに、光は確かに差し込んでいる。

窓ガラスに顔を近づけた瞬間、向こう側に人影が見えた気がした。いや、人ではない。何かが立っている。

私は後ずさった。階段を駆け上がり、祖母の部屋のドアを叩く。

「ああ、来たのかい」祖母は穏やかに微笑んだ。「あの窓、見ちゃったんだね」

「あの窓……知ってるんですか」

「ええ。昔からあるのよ。でもね、覚えておきなさい。あそこを覗いたら、次は向こうから覗かれる番だからね」

私は黙って頷いた。

それから三日後、自室で本を読んでいると、視界の端に影が動いた。振り返る。窓の外、三階なのに、誰かが立っている。

いや、何かが。

こちらを見ている。じっと。

カーテンを閉めても、その視線は消えない。今もなお、私の背中に張り付いている。

あの踊り場の窓を覗いてしまった夜から、もう一週間が経つ。祖母に電話をかけても、もう繋がらない。

#怪談 #ホラー #都市伝説 #窓

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