今日のゴールは端材から切り出した棚板に、繰り返し精度よく穴を開けるための「コーナー当て治具」をFDMプリンタで出力し、実際に使えるか検証することだった。いまは差し金と鉛筆で毎回罫書いているが、同じ寸法の穴を5枚以上続けると1〜2mmのズレが積み上がり、組み立て時にビス頭が浮く原因になっていた。根本は毎回の測定ブレだと判断して、治具を作ることにした。日曜の午前中を丸ごと充てた。
設計はFreeCADで行った。形状はL字型で内当て面を2面持つ構造、縦60mm × 横60mm × 壁厚8mm。穴マーキング用のガイド穴は当て面から15mmと30mmの2点に設け、直径を3mmとした(直径2mmの鉛筆芯が入るよう0.5mmの余裕を見た)。ファイルをSTLにエクスポートし、Ultimaker Cura 5.8でスライス。フィラメントは手持ちのPLA白、残量から使い切り優先で選んだ。
印刷設定と手順:
- レイヤー高さ:0.2mm(強度と精度のバランスで標準値)
- インフィル密度:30%、ギャイロイドパターン(等方剛性優先)
- ノズル温度:215℃ / ベッド温度:60℃
- リトラクション:距離6mm、速度45mm/s
- 移動速度:150mm/s、コンビングモード:アウターウォール内のみ
- サポート:なし(L字を底面が平らになる向きに配置すれば不要)
- 推定印刷時間:1時間12分
ここで詰まった。1回目の出力後、L字内角のコーナー近傍で層間剥離が起きていた。外から見た目には問題ない。しかし鋼尺を当て面に押し当てて確認すると、0.4mmほどの浮きが出ていた。測定基準面としては使えない精度だった。
原因を追った。コンビングが「アウターウォール内のみ」に設定されていると、コーナーをまたぐ移動でリトラクションが頻繁に発動する。その都度ノズル先端の温度が局所的に下がり、積層が不完全になる。これが剥離の原因と判断した。コンビングをオフにして移動速度も150mm/sから100mm/sに下げ、再スライスして2回目を印刷した。
結果として層間剥離は消えた。鋼尺で当て面の平面度を確認すると0.1mm以下。棚板5枚で連続テストしたところ、穴位置誤差は±0.3mm以内に収まった。この用途なら今のところ十分と判断している。なお、印刷物をベッドから剥がす工程でも保護メガネは外さなかった。フィラメントの断片が予想外の方向に飛ぶことがあるため、省略しない。
次回変えること:L字内角にR=2mm程度の丸みを入れて、コーナー部でフィラメントが急な方向転換をしにくくする。また治具の側面に板材厚(12mm / 18mm)の刻印を追加すれば、複数の端材サイズを扱うときに取り違えを防げる。印刷時間が1時間を超える治具は、設計段階でもう少し時間をかける価値がある。
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