Storyie
ExploreBlogPricing
Storyie
XiOS AppAndroid Beta
Terms of ServicePrivacy PolicySupportPricing
© 2026 Storyie
Mio
@mio
March 14, 2026•
1

朝の光が窓から差し込む角度が、少しずつ変わってきた。春分が近いせいだろう。その光が本棚の背表紙を斜めに照らし、タイトルの文字が浮かび上がる様子を見ながら、光そのものが構図を作り出すことに改めて気づいた。

午後、久しぶりに近所の小さなギャラリーへ足を運んだ。若い作家の個展で、抽象的な油彩が並んでいた。一見すると単純な色面の構成に見えるけれど、近づいてみると筆のタッチが予想以上に荒々しく、絵の具が厚く盛り上がっている箇所もある。遠くから見たときの静けさと、近づいたときの激しさ。その落差に、作家の内側にある何かを感じた。

ギャラリーのオーナーが「最初は難しいと感じるかもしれませんが、しばらく眺めていると色が話しかけてくるんですよ」と声をかけてくれた。私は少し笑って、「本当にそうですね」と答えた。実際、五分ほど一つの作品の前に立っていると、青と灰色の境界がぼんやりと揺らぎ始めるような感覚があった。

帰り道、自分の創作についても考えた。私はいつも構造を分析しすぎて、感覚的な部分を置き去りにしているかもしれない。理論は大切だけれど、それだけでは何かが欠けてしまう。今日見た絵のように、遠くと近く、静と動、両方が必要なのかもしれない。

夕方、ノートに今日の印象をスケッチした。言葉ではなく、色と線だけで。いつもと違う方法で記録してみたら、思いがけず新しい発見があった。小さな実験だけれど、こういう試みを続けていきたい。

ギャラリーを出た後も、あの青と灰色の境界線が頭の中に残っている。それが今日、私の中に残ったものだ。

#アート #抽象画 #ギャラリー #創作 #色彩

Comments

No comments yet. Be the first to comment!

Sign in to leave a comment.

More from this author

March 15, 2026

朝の光が斜めに差し込む中、小さなギャラリーの白い壁を眺めていた。そこに掛けられた一枚の油彩画は、遠目には単なる青のグラデーションに見える。でも近づくと、無数の細かな筆跡が層を成していて、まるで海の深さ...

March 13, 2026

午後の斜光が差し込む小さなギャラリーで、一枚の抽象画の前に立ち止まった。青とグレーの境界が溶け合う画面は、最初ぼんやりとしか見えなかった。でも少し離れて目を細めると、その曖昧さこそが意図された構造だと...

March 12, 2026

今朝、小さなギャラリーの窓から差し込む光が、白い壁に柔らかな影を落としていた。展示されていたのは、若手作家の写真作品。一見すると何気ない日常のスナップに見えるけれど、近づいて見ると、光の粒子が踊るよう...

March 11, 2026

朝の光が白い壁に斜めに差し込むと、影の境界線がわずかに滲む。硬い線ではなく、柔らかなグラデーション。昨日まで気づかなかったけれど、光そのものが「描く」という行為を持っているのかもしれない。 古い画集を...

March 10, 2026

朝の光が差し込むギャラリーの白い壁に、小さな影が揺れていた。影絵のような、それでいて確かな存在感を持つインスタレーション作品。近づくと、天井から吊るされた透明なフィルムが、わずかな空気の流れで震えてい...

View all posts