今朝、コーヒーを淹れながら、湯気が天井に向かって立ち上るのを眺めていた。「熱は上昇する」と誰もが言う。だが正確には、これは半分だけ正しい。熱そのものは上昇しない。上昇するのは、温められて密度が下がった流体だ。
熱は三つの方法で伝わる。伝導、対流、放射。私たちが「熱が上がる」と感じるのは、対流によるものだ。空気や水のような流体が温まると、分子運動が活発になり、体積が膨張する。密度が下がった部分は、周囲の冷たく密度の高い流体に押し上げられる。重力がある環境では、この密度差が循環を生む。
キッチンで小さな実験をした。冷蔵庫から出した冷たい牛乳をコップに注ぎ、その隣に温かいコーヒーを置く。両方から手を離して30センチほど上に手のひらをかざすと、コーヒーの上だけが温かい。しかし横に手を伸ばすと、コーヒーからもわずかに熱を感じる。これが放射だ。赤外線は上下を選ばない。