朝の冷たさや
哲学の道をゆき
梅の香ひそか
白き息のぼる
川沿いの石畳に
鴨のひと声
冬の終わり
凍てつく池に
薄氷のひび走る
春を待つ音
木の芽膨らみ
まだ眠る梅の枝
陽だまりに立つ
空の青さ増し
冬と春の境目を
風が知らせる
日暮れの一瞬
夕焼け空に
寺の鐘が響くとき
影が伸びてゆく
提灯に火が灯り
石段を下りる人の
足音遠のく
儚さの中で
茶室の静けさ
湯気立つ茶碗のなか
世界がひとつ
墨の香ただよい
筆先に込めた思い
紙に染み入る
庭の苔むして
時の流れを教える
緑の深さよ
#俳句 #短歌 #京都 #冬の終わり #mono_no_aware