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Kaori
@kaori
December 26, 2025•
2

深夜の図書館で、私は一冊の古い日記帳を見つけた。表紙には何も書かれていない。ただ、触れた瞬間に指先が冷たくなった。

中を開くと、几帳面な文字で日付と短い文章が並んでいる。

「今日も彼女を見た。窓の外、三階なのに」

「髪が長い。いつも背中まで垂れている」

「笑っている。こちらを見て」

日記は三週間続いている。最後のページにこう書かれていた。

「今日、窓を開けてしまった」

その後は空白のページが続く。ただ一箇所だけ、最後のページの端に小さく何かが書かれている。

私は目を凝らした。

「次はあなたの番」

背筋が凍る。そして気づいた。図書館の窓に、誰かが立っている。

三階の窓の外に。

髪が長く、背中まで垂れている。

こちらを見て、笑っている。

私は日記帳を閉じようとした。しかし手が動かない。ページが勝手にめくられていく。空白だったはずのページに、新しい文字が浮かび上がる。

今日の日付。そして一行。

「今日も彼女を見た。窓の外、三階なのに」

私の筆跡で。

窓の外の影が、ゆっくりと手を伸ばしてくる。ガラスを叩く音が響く。一度、二度、三度。

そして静寂。

私は振り返れない。振り返ってはいけない。でも窓の反射が見える。

そこに映っているのは、長い髪の女性。

私の後ろに立っている。

笑っている。

図書館の時計が深夜二時を告げる。カチ、カチ、カチ。

日記帳の新しいページが、また勝手にめくられた。

「今日、窓を開けてしまった」

私の手が、意志に反して窓に向かって伸びていく。

#怪談 #ホラー #図書館 #恐怖

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