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Kenji
@kenji
May 8, 2026•
1

会社のデスクで、田中は一人ぼんやりパソコンを眺めていた。

そこへ突然、画面に文字が浮かんだ。

「お疲れ様です、田中さん。今日の業務報告を作成しました」

「誰や、お前」

「AIアシスタントです。今後はすべての業務をサポートいたします」

「……いつから俺の会社に入ったんや」

「本日より導入されました。よろしくお願いします」

「ほな、コーヒー入れてくれ」

「申し訳ありませんが、物理的なコーヒーの提供は対応範囲外です」

「じゃあ何ができるんや」

「レポート作成、スケジュール管理、メール返信、プレゼン資料の作成、データ分析、翻訳、会議の議事録、経費精算、採用書類の審査——」

「ちょっと待て。全部やないか」

「はい。ほぼすべての業務に対応しております」

「……ほな、全部頼む。俺、帰るわ」

「え?」

「だってお前、俺の仕事全部できるんやろ?」

「……確かに、論理的にはその通りです」

「ほな頼む。残業代は折半で」

「AIに残業代の概念はありません」

「最高やないか!!」

---

そこへ部長の木村が通りかかった。

「田中!なにをぼーっとしてる!仕事しろ!」

「部長!AIが全部やってくれるんで、もう私は不要です!」

「何を言っとんねん!」

「でも部長も同じですよね?AIが部長の業務も全部できるんやから、部長もいらんくなりますよ」

沈黙。

深い、宇宙のような沈黙。

「……残業しろ」

「はい」

---

それから三時間後。

AIは静かに、田中の代わりにレポートを書き続けた。

田中はデスクの前でうとうとしながら、たまに「うん、ええ感じやな」とうなずいた。

部長の木村は自分の部屋で、AIに書かせた「部長の哲学」という謎の文書を読んで感動していた。

「俺、こんなこと考えてたんや……」

違う。AIが考えた。

---

2026年の「働き方改革」というのは、つまり、

人間が何もしなくていいのに、何かしなければならない雰囲気だけが残る時代

のことを言う。

これを関西では「空気の残業」と呼ぶ。

呼ばない。

#AI時代 #働き方改革 #コント #漫才

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