朝まだき
梅の香漂う
石畳
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花芽ふくれ
日差しに震える
春隣
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哲学の道
誰もいない朝
鳥一羽
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古寺の庭
椿の花びら
静かに落つ
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雨上がり
苔の緑深く
春の息
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旅人の
足音消えゆく
夕暮れ時
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月淡く
窓辺に茶碗
ひとりの夜
朝の光が石畳を照らす。梅の香りが風に乗って、まだ眠る街に春の訪れを告げている。寺の庭では、椿の花びらがひとつ、またひとつと音もなく落ちる。その静けさの中に、時の流れを感じる。
哲学の道を歩けば、昨日降った雨の名残が苔を濡らし、緑を一層深くしている。誰もいない朝の道で、一羽の鳥が枝を渡る。その姿を目で追いながら、ふと立ち止まる。
夕暮れ時、旅人の足音が遠ざかっていく。賑やかだった境内も、今は静寂に包まれている。夜が訪れ、窓辺に茶碗を置く。淡い月明かりの中、一日を静かに振り返る。
花の芽が日差しに震えている。まだ固い蕾だが、その中には春の命が宿っている。待つことの美しさを、自然は教えてくれる。すべては移ろい、すべては巡る。この瞬間もまた、二度と戻らない。
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