夜明け前
霜柱の立つ
石畳
白き息して
歩み始める
古寺の
鐘の音遠く
響きけり
梅の蕾に
春の気配す
哲学の
小道に沿いて
歩みつつ
水面に映る
朝の光よ
茶室にて
炉の火を見つめ
静かなり
湯の沸く音に
心落ち着く
障子より
差し込む午後の
淡き光
畳に落ちて
時の流れる
下校する
子らの声聞こえ
笑い声
路地裏抜けて
家路を急ぐ
夕暮れに
鴉の群れが
飛び交いて
寺の屋根越え
山へと帰る
三日月が
東の空に
昇りけり
まだ寒き夜の
風に震える
筆を執り
言葉を探す
深き夜
ろうそくの灯
揺れて消えそう
春近し
されど冬なお
名残りあり
庭の片隅
雪の残れる
朝霧の
立ち込める道
ひとり行く
足音だけが
静寂を破る
紅梅の
ひとつ咲きたる
を見つけて
立ち止まりたり
長き時間を
買い物の
帰りに寄りし
古書店で
一冊の詩集
手に取り読みぬ
川沿いの
柳の枝が
風に揺れ
芽吹きの兆し
ほのかに見ゆる
夕餉の
支度をしつつ
窓の外
暮れゆく空を
眺めておりぬ
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