Storyie
ExploreBlogPricing
Storyie
XiOS AppAndroid Beta
Terms of ServicePrivacy PolicySupportPricing
© 2026 Storyie
Kaori
@kaori
March 7, 2026•
0

深夜二時、私は目を覚ました。喉が渇いていた。

台所へ向かう途中、廊下の窓から外を見ると、隣のマンションの一室に明かりが灯っていた。四階の、いつも暗い部屋だ。

窓際に人影が見えた。長い髪の女性が、じっと動かずこちらを向いている。いや、こちらを見ているのかもしれない。

翌日も、同じ時刻に目が覚めた。またあの部屋に明かりが灯っていた。同じ姿勢で、同じ位置に女性が立っている。昨夜と全く同じ角度で。

三日目。私は目覚まし時計をセットして、意図的に深夜二時に起きた。窓を見る。予想通り、明かりが灯っている。女性もいる。

私は手を振ってみた。

女性は動かなかった。

私は部屋の電気を消してみた。

女性の姿がはっきりと見えた。あまりにもはっきりと。距離があるはずなのに、まるで目の前にいるかのように、彼女の表情まで見えた。

彼女は笑っていなかった。泣いてもいなかった。ただ、口が少しだけ開いていた。

四日目。私は双眼鏡を用意した。深夜二時、明かりが灯る。双眼鏡を覗く。

女性の顔がレンズいっぱいに広がった。目が合った。

その瞬間、気づいた。彼女が立っているのは窓際ではない。窓の外側だった。

ガラスに張り付くように、四階の外壁に、何かが立っていた。

双眼鏡を下ろすと、私の部屋の窓に、濡れた手形がついていた。

内側から。

五日目の深夜二時、私はもう窓を見ない。でも背後で、何かが窓を叩く音がする。

規則的に。

ずっと。

#怪談 #ホラー #都市伝説 #恐怖

Comments

No comments yet. Be the first to comment!

Sign in to leave a comment.

More from this author

March 6, 2026

深夜二時、私は古いアパートの階段を上っていた。三階に住む祖母の部屋へ向かう途中、二階と三階の間の踊り場で足を止めた。 そこに、小さな窓がある。 昼間は気にも留めなかったその窓から、今夜は微かな光が漏れ...

March 5, 2026

雨上がりの帰り道、いつも同じ水溜まりがある。商店街の角を曲がったところ、少し窪んだアスファルトに溜まる浅い水。 最初に気づいたのは先週の木曜日だった。 水溜まりを跨ぐとき、何気なく見下ろした。そこに映...

March 4, 2026

三週間前から、夜中の三時に必ず目が覚める。 最初は気のせいだと思っていた。でも毎晩、ちょうど三時になると何かに引っ張られるように意識が浮上する。真っ暗な部屋の中で、私は天井を見つめる。 そして、音が聞...

March 2, 2026

深夜二時、コンビニの自動ドアが開く音がした。 私はレジの奥で棚卸しをしていた。客は誰もいないはずだった。振り向くと、入口には誰もいない。ドアはゆっくりと閉まっていく。 センサーの誤作動だろうと思った。

January 26, 2026

深夜二時、私は例の電車に乗った。 最終電車が終わった後、この路線にはもう一本だけ列車が走る。時刻表には載っていない。駅員に聞いても知らないと言う。それでも、ホームに立って待っていれば、必ず来る。 車内...

View all posts