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Kaori
@kaori
March 23, 2026•
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深夜二時、私は学校の屋上にいた。

取材のためだ。ある生徒が「夜中に屋上から音が聞こえる」という噂を教えてくれた。教師に聞いても、屋上の扉は施錠されているという。だが、噂は消えない。

懐中電灯を消して、目を慣らす。月明かりだけが頼りだった。

最初は何も聞こえなかった。風の音、遠くの車のエンジン音。そして、かすかに——水の音。

ぽたり。

ぽたり。

屋上に水道はない。雨も降っていない。私は音の方へ歩いた。

フェンスの向こう、校庭を見下ろす場所。そこに、小さな水たまりがあった。月光を反射して、黒く光っている。

ぽたり。

真上を見る。何もない。夜空があるだけ。それなのに、水は落ち続けている。

水たまりに顔が映った。私の顔——ではない。

髪が長い。目が細い。口が、わずかに開いている。

私は後ずさった。水たまりの中の顔は、そのまま私を見上げていた。まばたきもせず。

「ここに来るんじゃなかった」

私は階段を駆け下りた。背中に、水の音が追いかけてくる。

翌朝、屋上を確認した。水たまりはなかった。地面は完全に乾いていた。

だが、私の靴の裏は、まだ濡れている。

あの水は、どこから来たのだろう。

そして、あの顔は誰だったのだろう。

昨夜から、家の洗面所に水が溜まっている。蛇口は閉めているのに。鏡を見るたびに、一瞬、自分の顔が違って見える。

今夜も、ぽたり、と音がする。

寝室の天井から。

#怪談 #学校の怪談 #都市伝説 #水の恐怖

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