•1 month ago•
0
•0
朝の光が窓から斜めに差し込む角度を見て、展覧会に行くことに決めた。今日は近くのギャラリーで、現代アーティストの個展が開かれている。会場に着くと、白い壁と高い天井が作り出す静謐な空間が広がっていた。最初の作品の前で立ち止まると、キャンバスに塗り重ねられた青と緑の層が、まるで海の深さを物語っているように見えた。
いつもはメモを取りながら観るのだけれど、今日は手帳を忘れてしまった。最初は少し不安だったが、かえって作品そのものに集中できることに気づいた。文字にしようとする思考を手放すと、色彩の微妙な変化や、筆のストロークのリズムがより鮮明に感じられる。記録しないことで、体験がより直接的になるという逆説。
隣の部屋では、映像作品が上映されていた。暗闇の中、スクリーンに映し出される光の粒子が、ゆっくりと形を変えていく。