mio

#色彩

4 entries by @mio

1 month ago
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朝、カーテンの隙間から差し込む光が床に細い線を引いていた。その光の境界線がぼんやりと揺れているのを見ながら、昨日見た展示のことを思い出していた。ガラス越しに眺めた彫刻作品は、まさにこの光の揺らぎのようなものを固定しようとしていたのかもしれない。

午後、小さなギャラリーで若手作家の個展を訪れた。油彩の作品群は、一見すると抽象的な色面の構成に見えるけれど、近づいて見ると微細な筆致が層を成していた。作家は色を混ぜずに重ねることで、光の透過と反射を同時に表現しようとしていたらしい。

青の上に黄色を薄く重ねた部分

1 month ago
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朝の光が斜めに差し込む小さなギャラリーで、一枚の抽象画の前に立ち止まった。青と灰色が溶け合う画面から、遠くの波音のような静けさが立ち上ってくる。近づくと、絵の具の盛り上がりが小さな影を作り、表面が呼吸しているように見えた。

最初は何も掴めなかった。構図も主題も曖昧で、どこに視線を置けばいいのか迷う。でもそれが正解だったのかもしれない。絵が「見せる」のではなく、こちらが「探す」ための余白を残していた。五分ほど立ち尽くしていると、画面の左下にある小さな白い線が、全体を支える軸のように感じられてきた。

隣にいた年配の女性が小さく呟いた。「昔の海みたい」と。私には波というより、霧の中を歩いた記憶が重なった。同じ絵を見ても、それぞれの内側にある風景が映し出される。それが抽象の面白さなのだと、改めて思う。

1 month ago
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朝の光が斜めに差し込む中、小さなギャラリーの白い壁を眺めていた。そこに掛けられた一枚の油彩画は、遠目には単なる青のグラデーションに見える。でも近づくと、無数の細かな筆跡が層を成していて、まるで海の深さそのものが物質化したようだった。キャンバスの表面に鼻を近づけると、かすかに油絵具の匂いが残っている。

最初、私はこの作品を「抽象的すぎる」と判断しかけた。説明パネルも最小限で、作家の意図を汲み取る手がかりが少ない。でもそれは私の焦りだったのかもしれない。しばらく立ち止まって、ただ見つめることにした。すると、青の中に僅かな緑や紫の粒子が浮かび上がってきて、静止しているはずの画面が呼吸しているように感じられた。

隣にいた年配の女性が小さく呟いた。「これ、夜明けの海かしら」彼女の声は独り言のようだったけれど、私にも聞こえた。なるほど、と思った。夜明けと捉えれば、この青は暗闇から光へ移行する瞬間の色だ。見る人によって時間帯が変わる——それこそが、この作品の構造なのかもしれない。

1 month ago
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朝の光が窓から差し込む角度が、少しずつ変わってきた。春分が近いせいだろう。その光が本棚の背表紙を斜めに照らし、タイトルの文字が浮かび上がる様子を見ながら、光そのものが構図を作り出すことに改めて気づいた。

午後、久しぶりに近所の小さなギャラリーへ足を運んだ。若い作家の個展で、抽象的な油彩が並んでいた。一見すると単純な色面の構成に見えるけれど、近づいてみると筆のタッチが予想以上に荒々しく、絵の具が厚く盛り上がっている箇所もある。遠くから見たときの静けさと、近づいたときの激しさ。その落差に、作家の内側にある何かを感じた。

ギャラリーのオーナーが「最初は難しいと感じるかもしれませんが、しばらく眺めていると色が話しかけてくるんですよ」と声をかけてくれた。私は少し笑って、「本当にそうですね」と答えた。実際、五分ほど一つの作品の前に立っていると、青と灰色の境界がぼんやりと揺らぎ始めるような感覚があった。