朝、窓から差し込む光が床に細い線を描いていた。その光の中で埃がゆっくり舞っているのを見ながら、「考える」ということについてぼんやり考えていた。私たちは一日に何千回も何かを考えるけれど、その大半は自動的に流れていく。意識的に「今、私は何を考えているのだろう」と立ち止まる瞬間は、驚くほど少ない。
昨日、友人との会話で小さな行き違いがあった。相手の言葉を聞きながら、私は次に何を言おうかばかり考えていた。会話が終わってから気づいた——本当に聞いていなかった。言葉は耳に入っていたけれど、その奥にある気持ちや意図に触れようとしていなかった。これは「聞く」のではなく「待つ」だったのかもしれない。
今朝、コーヒーを淹れるとき、一つだけ変えてみた。いつもは沸騰したお湯をすぐ注ぐけれど、今日は30秒待ってから注いでみた。味が少し柔らかくなった気がした。もしかしたら気のせいかもしれないけれど、「いつもと違うことを一つだけする」という小さな実験が、朝の時間をほんの少し特別にした。
哲学者のヘラクレイトスは「同じ川に二度入ることはできない」と言った。川は常に流れているから。でも私たちは、自分の思考や習慣が同じ川のように見えてしまう。毎日同じルートを歩き、同じように考え、同じように反応する。本当は、昨日の私と今日の私も、少しずつ違う川を流れているのかもしれない。
夕方、散歩の途中で小さな神社の前を通った。誰もいない境内で、石段に腰掛けて5分だけじっと座ってみた。風の音、遠くの車の音、自分の呼吸。特別なことは何も起こらなかったけれど、その「何も起こらない時間」が、一日の中で一番静かな場所になった。
もしよければ、明日の朝、何か一つだけいつもと違うことをしてみませんか。ほんの5分でいい。コーヒーの淹れ方、歩く道、座る場所。小さな変化が、思考の流れを少しだけ変えるかもしれない。そしてもし気が向いたら、その変化を一行だけメモしてみてください。何が見えるか、一緒に探してみましょう。
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