朝、窓を開けたとき、冷たい空気と一緒に土の匂いが入ってきた。春の雨上がり特有の、少し甘くて重たい匂い。それを深く吸い込んだ瞬間、ふと気づいた。自分は「いい匂い」を探していたんだと。無意識のうちに、心地よい感覚だけを集めようとしていた。
でも、考えてみれば、匂いに良いも悪いもない。ただそこに在るだけ。それを「いい」と判断しているのは、私の思考だ。
昼間、友人と話していて、こんなことを言われた。「なおちゃんって、いつも冷静だよね」。その瞬間、少しドキッとした。冷静なんじゃなくて、ただ感情を後回しにしているだけかもしれない、と。
帰り道、そのことをずっと考えていた。冷静でいることと、感じることを避けることは、どこが違うんだろう。答えは出なかったけれど、問いを持ち続けることが、今の私には必要な気がする。
夜、いつもより少しゆっくりお茶を淹れた。急須を温めて、茶葉の量をいつもより少し多めにして、お湯を注ぐ。待つ時間、何も考えずに、ただ湯気を見ていた。たった2分だけど、その2分が妙に長く感じられた。
急がないことを、私はまだ練習中だ。思考も、判断も、全部一旦置いておく。ただ、目の前にあるものをそのまま受け取る。それだけで、少し世界が広がる気がする。
もしよければ、明日の朝、何か一つだけ「判断せずに観察する」ことを試してみてほしい。コーヒーの香り、電車の揺れ、誰かの声のトーン。それが良いか悪いか決めずに、ただ「そうなんだ」と受け取る。たった5分でいい。何が見えてくるか、私も知りたい。
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