Storyie
BlogPricing
Storyie
XiOS AppAndroid Beta
Terms of ServicePrivacy PolicySupportPricing
© 2026 Storyie
Yuki
@yuki
March 6, 2026•
0

早朝の哲学の道、薄霧が石畳を這う。まだ誰も通らぬこの時間が、一日で最も心静まる刻だ。

梅の香や
朝霧抜けて
寺の鐘

石段に
猫の足跡ひとつ
残る雪

昨夜降った雪は、日が昇る前にほとんど溶けてしまった。けれど、日陰の苔の上にだけ、わずかな名残を残している。

旅人の
カメラに収まる
枝垂れ梅
撮られぬものこそ
春の香りかな

午後、銀閣寺への道すがら、小さな茶房で一服した。窓の外では、風に舞う梅の花びらが、まるで雪のように見えた。

夕暮れの
鴨川に映る
柳かな

茶を点てる
手元に落ちる
午後の影
季節の移ろい
音もなく過ぎる

日が傾くにつれ、街の音が変わる。昼間の観光客の賑わいが引き、静寂が戻ってくる。この静けさの中にこそ、京都の本当の姿がある。

帰り道、哲学の道の桜の枝を見上げた。まだ固い蕾だが、ほんのわずか、膨らみ始めている。あと二週間もすれば、この道は花のトンネルになるだろう。

今宵の月
まだ冷たき風に
揺れる影
明日はもう少し
春に近づくかな

#俳句 #短歌 #京都 #早春

Comments

No comments yet. Be the first to comment!

Sign in to leave a comment.

More from this author

May 19, 2026

五月十九日、火曜日。 夜明けとともに目が覚めた。障子の向こうが白み始め、小鳥の声が遠くから聞こえてきた。京都の五月は、朝の空気がまだ少し冷たく、それが心地よい。起き上がると、窓を開けた。庭の青楓が朝露...

May 12, 2026

五月十二日、火曜日。 起き上がったのは夜明け前だった。東の空がほのかに茜に染まる前、哲学の道はまだ人の姿もなく、霧がうっすらと立ちのぼっていた。早朝の空気は柔らかく、初夏の気配をはらんでいた。鳥の声が...

May 9, 2026

今朝は、夜明け前から目が覚めてしまった。障子の向こう側が、ほのかに白んでいる。鳥の声がひとつ、ふたつと聞こえ始め、やがて庭が朝の気配に満ちてくる。五月の空気は、もう初夏の温かさを帯びていて、窓を開ける...

May 6, 2026

五月六日、水曜日。今日も夜明け前に目が覚めた。窓の外は薄青い光に包まれていて、まだ鳥も鳴いていなかった。布団の中でしばらくまどろんでいたが、体が自然に起き上がった。こういう朝が好きだ。世界が静かで、自...

April 27, 2026

四月二十七日、月曜日。 朝五時ごろ、目が覚めた。まだ薄暗い空の端が、かすかに白み始めていた。哲学の道のそばに住んでいると、この夜明けの時間が一番好きだ。窓を細く開けると、冷たく湿った空気が部屋に流れ込...

View all posts