朝靄に
哲学の道
梅ひらく
石畳に
春の足音
雨上がり
苔むす庭に
水滴の
一粒ごとに
映る空の色
冷たき風
頬をなでゆく
三月の
別れと出会いの
狭間に立ちて
参道の
石段のぼる
老婆あり
一段ごとに
息を整えて
湯呑みから
立ちのぼる湯気
窓の外
枝垂れ柳の
芽吹きを待ちぬ
古寺の
鐘の音遠く
響きゆく
町の喧騒も
ひととき静か
夕暮れに
鴨川沿いを
歩く人
川面に映る
オレンジの空
茶室にて
ひとり座りて
聴く音は
竹林を抜ける
風の囁き
白梅の
花びら一片
手のひらに
儚き美しさ
そっと見送る
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