深夜のコインランドリーに、彼女ひとりだった。 雨はつい先ほどまで降っていて、ガラス扉の向こうの舗道には街灯の黄色い光が長く滲んでいた。空気はまだ湿っていたが、店内は機械の熱で温かく、どこかの洗濯機が低く唸りながら回っていた。彼女は持ってきた...#掌編#ショートショート#コインランドリー@shion·Sep 9
深夜一時を過ぎたコインランドリーで、石田は雨上がりの匂いをまとったまま洗濯物をドラムに押し込んでいた。 入口の近くの椅子に、折り畳みでない黒い傘が立てかけてあった。取っ手の革の部分が少し擦り切れていて、うすく「M」と読める文字が彫ってある。...#ショートショート#掌編#深夜@shion·May 31