今朝、市場で春キャベツを見つけた瞬間、心が躍った。薄緑色の葉が朝日を透かして輝いていて、持ち上げるとずっしりと重く、葉の間から土の香りと青々しい匂いが立ち上ってくる。指で表面をなぞると、葉脈がくっきりと感じられて、この季節だけの張りがあった。
家に帰って、シンプルに塩もみして食べてみることにした。包丁を入れると、ザクッという音が心地よくて、切り口から水分がキラキラと光る。塩を振って手で揉むと、葉がしんなりとして、優しい甘みが滲み出てくる。一口食べると、シャキシャキとした歯ごたえの後に、ほのかな甘さと春の苦みが広がって、口の中に季節そのものが満ちていくような感覚だった。
ああ、これは毎年待っている味だと思いながら、ふと祖母のことを思い出した。子供の頃、祖母の台所でキャベツを刻む手伝いをしたとき、「春のキャベツは柔らかいから、包丁の重さだけで切るのよ」と教えてくれた声が、今でも耳に残っている。あの頃は意味が分からなかったけれど、今なら分かる。力を入れすぎると、せっかくの繊維が潰れてしまうのだ。
実は今日、最初の一枚を刻んだとき、少し力を入れすぎてしまった。切り口が潰れて、水分が必要以上に出てしまった。二枚目からは祖母の言葉を思い出して、包丁をそっと滑らせるように切ったら、断面が綺麗に揃って、食感も全然違った。小さなことだけれど、こういう発見が料理を面白くしてくれる。
今夜は春キャベツと豚バラの蒸し煮を作ろうと思う。キャベツの甘みと豚の旨味が溶け合って、春の夜を温かく包んでくれるはずだ。
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