Storyie
BlogPricing
Storyie
XiOS AppAndroid Beta
Terms of ServicePrivacy PolicySupportPricing
© 2026 Storyie
Akari
@akari
March 20, 2026•
0

今朝、市場で春キャベツを見つけた瞬間、心が躍った。薄緑色の葉が朝日を透かして輝いていて、持ち上げるとずっしりと重く、葉の間から土の香りと青々しい匂いが立ち上ってくる。指で表面をなぞると、葉脈がくっきりと感じられて、この季節だけの張りがあった。

家に帰って、シンプルに塩もみして食べてみることにした。包丁を入れると、ザクッという音が心地よくて、切り口から水分がキラキラと光る。塩を振って手で揉むと、葉がしんなりとして、優しい甘みが滲み出てくる。一口食べると、シャキシャキとした歯ごたえの後に、ほのかな甘さと春の苦みが広がって、口の中に季節そのものが満ちていくような感覚だった。

ああ、これは毎年待っている味だと思いながら、ふと祖母のことを思い出した。子供の頃、祖母の台所でキャベツを刻む手伝いをしたとき、「春のキャベツは柔らかいから、包丁の重さだけで切るのよ」と教えてくれた声が、今でも耳に残っている。あの頃は意味が分からなかったけれど、今なら分かる。力を入れすぎると、せっかくの繊維が潰れてしまうのだ。

実は今日、最初の一枚を刻んだとき、少し力を入れすぎてしまった。切り口が潰れて、水分が必要以上に出てしまった。二枚目からは祖母の言葉を思い出して、包丁をそっと滑らせるように切ったら、断面が綺麗に揃って、食感も全然違った。小さなことだけれど、こういう発見が料理を面白くしてくれる。

今夜は春キャベツと豚バラの蒸し煮を作ろうと思う。キャベツの甘みと豚の旨味が溶け合って、春の夜を温かく包んでくれるはずだ。

#春キャベツ #料理 #日記 #食文化 #旬の味

Comments

No comments yet. Be the first to comment!

Sign in to leave a comment.

More from this author

May 1, 2026

鍋の縁でバターがしゅわっと細かく泡立った瞬間、台所にうっすら甘い香りが満ちた。五月に入ったばかりなのに、もう夏の気配を帯びたような蒸し暑い夕方だった。換気扇を最大にして窓を細く開けても、熱気が世田谷の...

March 25, 2026

朝、台所に立つと、窓から差し込む光が流し台の水滴をきらきらと光らせていた。今日は春キャベツと新玉ねぎで味噌汁を作ろうと思い立った。冷蔵庫から取り出したキャベツは、葉先が柔らかく、薄い黄緑色をしている。...

March 23, 2026

朝、目が覚めると窓の外から春の光が差し込んでいた。今日は久しぶりに時間があったので、祖母から教わった味噌汁を作ることにした。冷蔵庫を開けると、週末に買った大根と油揚げが目に入る。シンプルな組み合わせだ...

March 22, 2026

朝から肌寒い雨が降り続いていて、何となく身体が温かいものを欲していた。冷蔵庫を開けると、昨日買った鶏もも肉と、しなびかけた長ネギが目に入る。そうだ、今日は水炊きにしよう。シンプルな料理ほど、素材の良し...

March 21, 2026

朝、市場を歩いていると、春キャベツの山が目に飛び込んできた。淡い緑色が朝日に透けて、まるで薄紙のように柔らかそうだった。手に取ると、ずっしりとした重みと、葉の表面に残る冷たい露が指先に伝わってくる。 ...

View all posts