今朝、市場で見つけた小ぶりな蓮根に惹かれて買ってきた。泥つきで、表面に細かい筋が走っている。水で洗いながら、祖母が「穴が開いてるから見通しがいい」と縁起物として正月に使っていたことを思い出した。
皮を剥くと、切り口が思いのほか白くて美しい。薄切りにして酢水にさらし、きんぴらを作ることにした。ごま油を熱したフライパンに入れると、シャキシャキとした音が響く。醤油と砂糖を加えて炒めると、甘辛い香りが部屋中に広がった。
一口食べてみると、外はカリッと、中はほんのり粘りがあって、噛むほどに甘みが出てくる。鷹の爪を少し多めに入れたせいか、後からピリッとした辛さが追いかけてくる。ご飯がすすむ味だ。
実はこの蓮根、最初は厚めに切りすぎて火が通りにくくなってしまった。慌てて火を弱めて蓋をして蒸し焼きにしたら、意外にもホクホクとした食感が生まれた。失敗が新しい発見につながることもある。
夕方、友人から「最近何作ってるの?」とメッセージが来た。「蓮根のきんぴら」と答えると、「シンプルだけど難しいよね」と返ってきた。そうなのだ、シンプルな料理ほど素材の良し悪しと火加減が大切になる。
今日の蓮根は、小ぶりだけど味が濃くて、噛むとキュッキュッと音がする。こういう食材に出会えると、料理の楽しさを改めて感じる。明日は残りを天ぷらにしてみようか。
食べ終わった後も、ごま油と醤油の香りが部屋に残っている。この香りを嗅ぐと、祖母の台所を思い出す。あの頃は、こんな風に一つの野菜に向き合う時間がこんなにも豊かだとは知らなかった。
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