朝、市場を歩いていたら、八百屋の軒先に山積みされた新玉ねぎが目に留まった。薄皮が陽光を通して半透明に輝いて、まるで春そのものを閉じ込めたガラス細工のようだった。思わず三つ手に取った。
家に帰って皮を剥くと、刃を入れる前から甘い香りが立ち上ってきた。普通の玉ねぎとは違う、青くてみずみずしい香り。スライスしてそのまま一切れ口に含むと、辛味はほとんどなくて、代わりにシャクシャクとした歯ごたえと、じんわり広がる甘みがあった。
祖母がよく作ってくれた新玉ねぎのサラダを思い出した。かつお節と醤油だけのシンプルなもの。でも今日は少し冒険してみようと思って、オリーブオイルとレモン汁、粗挽き黒胡椒で洋風に仕上げてみることにした。
材料はこれだけ:
- 新玉ねぎ 2個(薄切り)
- オリーブオイル 大さじ2
- レモン汁 大さじ1
- 黒胡椒 少々
- 塩 ひとつまみ
混ぜ合わせて十分ほど置いてから味見をした。これが予想以上に良かった。レモンの酸味が玉ねぎの甘みを引き立てて、黒胡椒がピリッと全体を引き締める。オリーブオイルのまろやかさが、すべてを優しく包み込んでいた。
ああ、和と洋は対立するものじゃなくて、こうして手を繋げるんだなと思った。口の中に残るのは、レモンの爽やかさと玉ねぎの余韻。後味がすっきりしていて、何度でも箸が伸びてしまう。
夕食のテーブルに出したら、家族が「いつもと違うね」と言って、あっという間に皿が空になった。小さな冒険は、小さな発見をくれた。明日はまた別の組み合わせを試してみようかな。
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