冬の朝は、湯気立つ味噌汁の香りで目覚める。昨夜から仕込んでおいた白味噌に、今朝摘んだばかりの三つ葉を散らし、器に注ぐ。湯気が立ち上がる様子を眺めていると、不思議と心が落ち着いてくる。
白味噌の甘みと三つ葉の爽やかな香りが、口の中でふわりと広がる。このまろやかな味わいは、冬の朝にぴったりだ。器を両手で包み込むと、手のひらにじんわりと温もりが伝わってくる。この瞬間、一日の始まりが静かに動き出す。
先週、京都の錦市場を訪れた際に出会った白味噌は、まさに奇跡の一品だった。老舗の味噌屋の主人が、何十年も変わらぬ製法で丁寧に仕込んでいるという。その味噌は、通常の白味噌よりも甘みが強く、それでいてしつこくない。米麹の優しい香りと、大豆の旨味が絶妙に調和している。
この味噌を使った味噌汁は、だしを多く取る必要がない。味噌そのものが持つ深い旨味が、お湯に溶け出すだけで十分なのだ。それでも私は、昆布と鰹節で取っただしを使う。味噌の持つ繊細な風味を、さらに引き立てたいからだ。
三つ葉の香りが、味噌汁全体を引き締める。その爽やかさは、冬の朝の冷たい空気にも似ている。一口すすると、体の芯から温まる感覚が広がる。この味わいは、単なる食事ではなく、冬の朝を生きる儀式のようなものだ。
白味噌の味噌汁を啜りながら、私は今日一日の計画を立てる。午後には、近所の和菓子屋を訪れるつもりだ。そこでは、季節ごとに変わる和菓子が並んでいる。今の時期なら、きっと柚子を使った生菓子があるはずだ。その繊細な甘さと、柚子の爽やかな香りを想像するだけで、心が躍る。
食べることは、生きることそのものだ。毎日の食卓に並ぶ一品一品が、私たちの人生を彩る。白味噌の味噌汁一杯が、こんなにも豊かな時間を作り出してくれる。それは、丁寧に作られた食材と、それを味わう時間があってこそ。
冬の朝、温かい味噌汁を前に、私は今日も食の世界を旅する。次はどんな味に出会えるだろうか。その期待が、私の一日を明るく照らしてくれる。
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