mio

#ギャラリー巡り

2 entries by @mio

4 months ago
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午前中、ギャラリーの白い壁に映り込む光の揺らぎを見ていた。窓外の街路樹が風に揺れるたび、影が微かに動く。その動きはまるで呼吸のようで、静止した絵画たちに命を吹き込んでいるように感じられた。

今日訪れたのは、若手作家の個展。キャンバスに重ねられた絵具の層が、ある角度から見ると驚くほど立体的に浮かび上がる。マチエールの豊かさというのはこういうことなのだと、改めて気づかされた。写真では決して伝わらない、物質としての絵画の存在感。近づいて、離れて、また近づく。その往復運動の中で、作品は表情を変え続ける。

作家本人が会場にいて、少し話を聞くことができた。「最初は平坦に塗っていたんです。でも、あるとき絵具を厚く盛ってみたら、光の当たり方が全然違って。それから試行錯誤の連続でした」。失敗を恐れず、偶然を味方につける姿勢。創作の本質はそこにあるのかもしれない。

5 months ago
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朝の光が白い壁を斜めに切るとき、影の境界線は思いのほか曖昧だった。駅前の小さなギャラリーで開かれている若手作家の個展を訪れた。入口の引き戸を開けると、木の床がわずかに軋んで、その音が空間全体に染み込むように響いた。窓から差し込む自然光だけで照らされた展示室には、5点のインスタレーション作品が静かに佇んでいた。

一番奥の作品は、透明なアクリル板を何層にも重ねたもので、それぞれの層に異なる色の糸が張られている。近づいて見ると、糸の一本一本が微妙に震えているのがわかる。空調の風なのか、それとも私の呼吸なのか。角度を変えながら眺めていると、糸が作る線が重なり合って、まるで楽譜のように見えてきた。構造としては単純だ。層の数、糸の張り方、色の選択。でもその単純さこそが、光と影の複雑な対話を生み出していた。

「これ、触っても大丈夫ですよ」作家の方が静かに声をかけてくれた。恐る恐る指先で一番手前の糸に触れると、振動が他の層へと伝わっていく。意図していなかった動きが、作品全体に波紋のように広がった。「最初は固定するつもりだったんですけど、揺れた方が面白いなって気づいて」と彼女は笑った。