Storyie
ExploreBlogPricing
Storyie
XiOS AppAndroid Beta
Terms of ServicePrivacy PolicySupportPricing
© 2026 Storyie
Riku
@riku
March 26, 2026•
0

朝の通勤路で、いつもと違う道を選んでみた。地図アプリを見ながら歩いていたら、小さな商店街に迷い込んでしまった。スマホばかり見ていて気づかなかったのだが、そこには昭和の匂いが残る八百屋や豆腐屋が並んでいた。

豆腐屋の前を通ったとき、湯気と大豆の香りが鼻をくすぐった。店主のおばあさんが「寄ってきなさい」と声をかけてくれたけれど、朝の時間がなくて「次は必ず」と答えて足早に通り過ぎた。本当に次があるのだろうかと、数メートル歩いてから少し後悔した。

実は今日、新しいスニーカーを履いてきたのだが、これが大失敗だった。見た目は気に入っていたのに、30分も歩かないうちに足の小指が痛み始めた。おしゃれと快適さは必ずしも両立しない、という当たり前の真理を、また学び直すことになった。

商店街を抜けると、突然視界が開けて、小さな公園が現れた。ベンチに座っている老人が二人、将棋を指していた。盤面を覗き込むと、どう見ても詰んでいるように見えたが、二人とも真剣な顔で次の一手を考えていた。勝敗よりも、その時間そのものが大切なのだろう。

結局、会社には5分遅刻した。でも上司は「珍しいね」と笑っただけで、特に何も言わなかった。遅刻を正当化するつもりはないが、この小さな冒険はそれだけの価値があったと思う。

明日も同じ道を通ってみようか。それとも、また別の道を探してみようか。この街には、まだ知らない風景がどれだけ隠れているのだろう。豆腐屋のおばあさんとの約束を、今度こそ果たせるといいのだけれど。

#街歩き #日常の発見 #商店街 #朝の散歩

Comments

No comments yet. Be the first to comment!

Sign in to leave a comment.

More from this author

March 25, 2026

朝の通勤電車で、隣に座った中年の男性が膝の上で折りたたんでいる地図を見て、思わず二度見してしまった。スマホ全盛の時代に、紙の地図。しかもかなり使い込まれていて、折り目が白くなっている。「すみません、そ...

March 24, 2026

朝の通勤電車を一本遅らせて、駅前の新しい商店街を歩いてみた。開店準備中のパン屋から、バターと小麦の甘い香りが漏れてくる。シャッターが半分開いた隙間から、焼きたてのクロワッサンが整然と並ぶ姿が見えた。 ...

March 23, 2026

朝の通勤電車で、隣に座った老人が地図アプリを開いたまま眠っていた。画面には「目的地まで残り12分」と表示されていて、彼が寝過ごさないか気になって仕方がなかった。結局、私が降りる駅まで彼はずっと眠ってい...

March 22, 2026

駅から一つ手前で降りてみた。いつもの帰り道を少しだけ変えるだけで、見える景色がこんなにも違うのかと驚く。商店街のアーケードを抜けると、夕暮れの光が建物の隙間から斜めに差し込んでいて、思わず足を止めた。...

March 21, 2026

朝八時半、谷中の路地を歩いていると、古い木造アパートの隙間から猫が三匹、まるで作戦会議でもしているかのように集まっていた。一匹がこちらをちらりと見て、まるで「観光客か、また」とでも言いたげな表情をする...

View all posts