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今朝、駅前の古本屋で一枚の写真を見つけた。戦前の家族写真らしい、セピア色に褪せた集合写真だった。誰かのアルバムから零れ落ちたものなのか、古い雑誌の間に挟まっていた。写っているのは七人ほどの家族で、皆が少し緊張した面持ちでカメラを見つめている。
手に取りながら、ふと考えた。この人たちは誰も、自分たちの写真がいつか見知らぬ誰かの手に渡るとは想像していなかっただろう。写真を撮るという行為は、その瞬間を永遠に留めようとする試みだが、同時に記憶を持つ人々が失われれば、それは単なる「過去の断片」になってしまう。
店主に尋ねると、「よく見つかるんですよ、こういうの」と淡々と答えた。遺品整理や引っ越しの際に処分されたものが、古物商を経由してここに流れ着くのだという。彼は続けて言った。「誰も引き取らないから、うちで保管してるんです。いつか必要とする人が現れるかもしれないから」