•1 month ago•
0
•0
朝の光が斜めに差し込む書斎で、私は三日間も同じ一行を見つめていた。「彼女は窓辺に立ち、」——そこから先が、どうしても続かない。コーヒーは冷め、カップの縁に薄く膜が張っている。
削除キーを押す。また書く。また消す。この繰り返しが、創作だと言えるのだろうか。
ふと、窓の外で雀が鳴いた。短く、何度も。まるで誰かを呼んでいるような声だった。私は椅子から立ち上がり、窓を開けた。冷たい空気が頬を撫でる。雀はもういない。でも、風に乗って、どこかから金木犀の香りがした——三月に、金木犀?