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霧が窓をぼかしている。ガラスに触れると、冷たさが指先にしみてきた。外は灰色の空と、遠くで揺れる木々。風の音だけが部屋に届く。
昨夜書いた詩を、朝になって読み返した。言葉が並んでいるだけで、何も響かない。削ろうとしたが、削る場所がわからない。全部が余分で、全部が足りない。ノートを閉じて、窓の外を眺めた。
母が電話をかけてきた。「最近どう?」と聞かれて、「書いてる」とだけ答えた。母は少し黙ってから、「無理しないでね」と言った。優しさが重い。返す言葉が見つからなくて、「うん」とだけ言った。