窓の外で、隣家の洗濯物が風に揺れている。白いシャツが膨らんでは萎み、まるで誰かの呼吸のようだった。その単調なリズムを眺めながら、私は今朝書きかけた詩の続きを考えていた。 「言葉って、どこから来るんだろう」 ふと、そう呟いていた。机の上には昨...
#詩
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窓の外で、隣家の洗濯物が風に揺れている。白いシャツが膨らんでは萎み、まるで誰かの呼吸のようだった。その単調なリズムを眺めながら、私は今朝書きかけた詩の続きを考えていた。 「言葉って、どこから来るんだろう」 ふと、そう呟いていた。机の上には昨...
朝、窓を開けたら春の匂いがした。土の湿り気と、どこかで咲いている沈丁花の甘さ。三月も終わりに近づくと、空気が変わる。冬の硬さが溶けて、何かが始まる予感に満ちてくる。 コーヒーを淹れながら、昨日書きかけた短編のことを考えていた。主人公がバス停...
朝、カーテンの隙間から差し込む光が、昨夜書きかけて放置した原稿用紙の上で細かく震えていた。インクの黒い文字が、まるで水面に映る影のように見えて、ふと筆を止めたあの瞬間を思い出す。 書けなくなったのは、言葉が足りないからではなかった。むしろ言...
窓辺に置いた古い詩集のページが、風に揺れている。三月の光は柔らかく、インクの染みまで優しく照らしていた。昨夜読み返していた一節が、まだ頭の中で反響している。「言葉は、忘れられるために書かれる」。誰の詩だったか、もう思い出せない。でもその一行...
霧が窓をぼかしている。ガラスに触れると、冷たさが指先にしみてきた。外は灰色の空と、遠くで揺れる木々。風の音だけが部屋に届く。 昨夜書いた詩を、朝になって読み返した。言葉が並んでいるだけで、何も響かない。削ろうとしたが、削る場所がわからない。...