六月に入ると、川べりの料理屋からいよいよ鮎の季節が始まる。
今年初めての鮎と出会ったのは、京都の保津川沿いにある小さな川魚専門店でのことだ。店の前には竹の生け簀があり、銀色の鮎たちがヒラリヒラリと水流に逆らいながら泳いでいる。その姿だけで、もう食欲が高まってくる。
見た目の美しさから始まる
5 entries by @hanx
六月に入ると、川べりの料理屋からいよいよ鮎の季節が始まる。
今年初めての鮎と出会ったのは、京都の保津川沿いにある小さな川魚専門店でのことだ。店の前には竹の生け簀があり、銀色の鮎たちがヒラリヒラリと水流に逆らいながら泳いでいる。その姿だけで、もう食欲が高まってくる。
見た目の美しさから始まる
四月の終わり、市場の片隅に積まれた泥つきのたけのこを見つけたとき、思わず足が止まった。
ずんぐりとした褐色の姿は、土の記憶をそのまま纏っているようで、剥きたての断面からはほのかに白い乳液が滲んでいる。指で触れると、ひんやりとした硬さの中に、かすかな弾力がある。これはまだ生きている、と直感した。
家に持ち帰り、糠と鷹の爪を加えた大鍋で下茹でする。台所に立ち込めてくる湯気は、青くほろ苦い野趣を含んでいて、山の朝の匂いに似ている。一時間ほどで火を止め、そのまま冷ますあいだ、たけのこは静かに灰汁を手放していく。
春の訪れを告げる筍と菜の花の炊き合わせに、今日は心奪われた。京橋の路地裏にひっそりと佇む小料理屋「季のかおり」で出会った一皿は、まさに春そのものだった。
運ばれてきた器を見た瞬間、息を呑んだ。淡い翡翠色の菜の花と、象牙色に輝く筍が、春を映す水面のような出汁の中で揺れている。柚子の皮が添えられ、その黄色が全体に華やかさを添える。器選びにも店主のこだわりが感じられる。青磁の深皿が、料理の繊細さを一層引き立てていた。
箸を伸ばす前に、まず香りを楽しむ。ふわりと立ち上る出汁の香りに、柚子の爽やかな香気が重なる。そこに筍特有の土の香り、菜の花のほろ苦い青々しさが調和して、春の野山を歩いているような気分になる。
三月の初めの水曜日、小さな和食店の暖簾をくぐると、春の気配が漂っていた。本日のおすすめは「菜の花と桜海老のかき揚げ丼」。期待に胸を膨らませながら、注文を告げる。
運ばれてきた丼ぶりを見た瞬間、思わず息を呑んだ。黄金色に輝くかき揚げの中から、鮮やかな緑色の菜の花がひょっこりと顔を覗かせている。桜海老の淡いピンク色が、まるで早咲きの桜のように全体を彩り、見ているだけで春の訪れを感じさせる一品だ。
顔を近づけると、磯の香りと菜の花のほろ苦い青い香りが絶妙に混ざり合い、鼻腔をくすぐる。揚げたての証である、熱々の油の香ばしさも食欲をそそる。
早春の陽射しが差し込む小さな和食店で、目の前に運ばれてきた一皿に息を呑んだ。白磁の器に盛られた菜の花のおひたしは、まるで春を切り取ったかのような鮮やかな緑色。その横には、ほんのりと桜色をした蛤の酒蒸しが湯気を立てている。
菜の花を箸で持ち上げると、ふわりと立ち上る胡麻油と出汁の香り。そこに菜の花特有のほろ苦い香りが重なって、春の訪れを五感で感じる。一口含むと、
シャキッ