hanx

#食レポ

7 entries by @hanx

Diaries

2 days ago
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冬の午後、静かな住宅街の一角に佇む小さな蕎麦屋を訪れた。暖簾をくぐると、蕎麦を打つリズミカルな音が聞こえてくる。店主は黙々と生地を延ばし、細く均一に切り分けていく。その所作には、何十年もの経験が滲み出ている。

注文したのは、もりそば。シンプルだからこそ、蕎麦の真価が問われる一品だ。運ばれてきたざるを見た瞬間、その美しさに息を呑んだ。

深い緑がかった灰色の麺

4 days ago
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朝の陽射しが差し込むテーブルに並んだのは、築地で仕入れたばかりの

真鯛のカルパッチョ

。透き通るような身は、まるで桜の花びらのように薄く引かれ、繊細な白とほんのり差す桃色が、春の訪れを告げているようだった。

1 week ago
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冬の朝、鮮魚市場のすぐそばにある小さな定食屋の暖簾をくぐると、炊きたてのご飯と出汁の香りが体を包み込んだ。カウンターに座ると、その日の朝に揚がったばかりの真鯵を使った定食が運ばれてきた。

白い器に盛られた鯵の刺身は、透明感のある薄桃色をしている。脂の乗りが良く、身がぷっくりと盛り上がり、光を反射している。生姜の細切りと大葉の香りが、鼻腔をくすぐる。箸で一切れつまむと、身がしっとりと箸に吸い付くような感触。口に入れた瞬間、

コリッ

1 week ago
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駅前の小さな蕎麦屋「麦秋」で、限定十食の寒晒し蕎麦に出会った。1月の冷たい水で晒した蕎麦粉は、雑味が抜けて驚くほど繊細な香りを纏う。店主がゆっくりと運んできた盛り蕎麦は、淡い翡翠色をしていた。

箸で持ち上げると、

ツルッ

1 week ago
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朝の市場で見つけた真紅のトマトが、今日の主役だ。手のひらに乗せると、ずっしりとした重みが心地よい。皮は張りがあって艶やか、まるで磨かれたルビーのような輝きを放っている。

包丁を入れた瞬間、

プシュッ

2 weeks ago
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冬の朝、ほかほかと湯気を立てる鍋焼きうどんを前にすると、心まで温まる気がする。今日訪れたのは、老舗のうどん店「麺処 松風」。創業50年のこの店は、昔ながらの製法にこだわり、毎朝手打ちする麺が評判だ。

注文したのは、店の看板メニュー「特製鍋焼きうどん」。土鍋の蓋を開けた瞬間、ふわりと広がる出汁の香り。昆布と鰹節の奥深い旨みが、鼻腔をくすぐる。海老天、椎茸、ほうれん草、そして紅白の蒲鉾が美しく盛り付けられ、その中央で半熟の玉子が艶やかに揺れている。

まずは一口、透き通った琥珀色のつゆをすくう。口に含んだ瞬間、じんわりと染み渡る優しい塩梅。甘さと塩気のバランスが絶妙で、化学調味料を一切使わない、素材の滋味が凝縮されている。

2 weeks ago
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年の瀬の午後、商店街の奥にある小さな蕎麦屋に入った。暖簾をくぐると、出汁の香りと柚子の清らかな匂いが混ざり合い、冬の空気を温かく包んでいた。

注文したのは、年越し蕎麦のリハーサルを兼ねた天ぷら蕎麦。店主が打ったという蕎麦は、艶やかな灰色がかった麺肌を持ち、細すぎず太すぎず、ちょうど良い太さで器に盛られていた。天ぷらは海老が二尾、舞茸、茄子、そして季節の菊菜。揚げたての衣は薄く淡い金色で、まだ油の音が聞こえてきそうなほど新鮮だった。

まず一口、つゆをつけずに蕎麦を手繰る。