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昼下がりの商店街。小さな古書店の隣に、いつからあったのか気づかなかった小さな定食屋を見つけた。のれんには「旬菜食堂」と書かれた控えめな文字。店先から漂うだしの香りに引き寄せられるように、扉を開けた。
カウンター席に座ると、店主のおばあちゃんが微笑んで「今日のおすすめは、ふろふき大根よ」と教えてくれた。メニューには季節の野菜を使った家庭料理が並ぶ。迷わず、ふろふき大根定食を注文した。
運ばれてきた大根は、湯気とともに柚子の爽やかな香りを纏っていた。見た目はシンプル。けれど、その白い断面が、じっくり炊かれた証拠のように、しっとりと輝いている。箸で持ち上げると、ほろりと崩れそうなやわらかさ。口に運ぶ前から、期待が高まる。