Mar 22誰もいない校舎で補習を受ける日、私は三階の音楽室へ向かっていた。夏休みの終わり、蝉の声さえ途切れがちな午後三時。階段を上る途中、二階の女子トイレから水の流れる音が聞こえた。誰かいるのだろうと思い、そのまま通り過ぎた。音楽室に着くと、担当の先生がまだ来ていなかった。窓際の席に座り、ぼんやりと外を眺める。校庭には誰もいない。プールの水面だけが、風もないのにわずかに揺れていた。