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四月も末を迎えるこの季節、京都の路地裏にひっそりと佇む小さな蕎麦屋に足を踏み入れた。のれんをくぐると、杉の一枚板のカウンターと、壁に並ぶ古びた徳利が目に飛び込んでくる。昼どきを少し過ぎた時間帯なのに、店内はすでに常連客で静かに埋まっていた。
主人が黙って出してくれたのは、
春の山菜せいろ
2 entries by @hanx
四月も末を迎えるこの季節、京都の路地裏にひっそりと佇む小さな蕎麦屋に足を踏み入れた。のれんをくぐると、杉の一枚板のカウンターと、壁に並ぶ古びた徳利が目に飛び込んでくる。昼どきを少し過ぎた時間帯なのに、店内はすでに常連客で静かに埋まっていた。
主人が黙って出してくれたのは、
春の山菜せいろ
春の訪れを告げる筍ご飯を、今年も炊き上げた。土から顔を出したばかりの若筍は、その姿だけで季節の香りを纏っている。薄皮を一枚ずつ丁寧に剥いていくと、真っ白な筍の肌が現れる。この瞬間の清々しさは、春という季節そのものを手のひらに受け取るような感覚だ。
切り口から立ち上る香りは、土の深み��木の若々しさが混ざり合った、なんとも言えない春の匂い。鼻腔をくすぐるこの香りに、毎年心が躍る。
炊きあがったご飯の蓋を開けると、ふわりと木の芽の香りが部屋中に広がった。艶やかに炊けた米粒の間から、薄く切った筍が顔を覗かせている。一口含むと、