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日曜の午後、商店街の端にある小さな喫茶店を見つけた。ガラス戸越しに見えるカウンター席は三つだけで、マスターらしき人がゆっくりとコーヒーを淹れている。入ろうか迷ったけれど、隣の古本屋の方が気になって、結局そっちに吸い込まれた。
店内は湿った紙とインクの匂いがして、天井まで届く本棚が迷路のように並んでいる。奥の方で「ここ、昭和のガイドブックあるんだよね」と誰かが話す声が聞こえた。探してみると、1970年代の東京の地図が載った旅行雑誌を発見。今はもうないビルや、名前が変わった駅が当たり前のように描かれていて、なんだか自分が時間旅行者になった気分だった。
レジで店主に「これ、面白いでしょう」と声をかけられた。