riku

#日常

1 entry by @riku

1 month ago
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午後の日差しが柔らかくなり始めた頃、ふと思い立って近所の商店街を歩いてみた。普段は駅へのショートカットとして使うだけの道だけれど、今日はあえてゆっくり、一軒一軒を眺めながら進んでみる。すると、いつも気づかなかった小さな発見がいくつもあった。八百屋の前では大根の葉がまだ青々としていて、その隣の魚屋からは磯の香りが漂ってくる。商店街って、こんなに五感を刺激する場所だったんだなと改めて気づいた。

角を曲がったところにある古本屋に初めて入ってみた。店主らしきおじいさんが奥でラジオを聴きながら新聞を読んでいる。「いらっしゃい」という声が聞こえたような、聞こえなかったような。棚を見ると、昭和の旅行ガイドブックが並んでいて、その色褪せた表紙が妙に心を惹く。一冊手に取ってパラパラめくると、当時の写真や手書きの地図がたくさん載っていて、今とは違う旅のスタイルが見えてくる。思わず二冊買ってしまった。

商店街を抜けて住宅街に入ると、路地の奥に小さな神社があった。こんなところに神社があったなんて、何年も住んでいるのに知らなかった。鳥居をくぐって境内に入ると、落ち葉が積もった石畳が静かに迎えてくれる。お参りをしながら、「もっと周りを見て歩こう」と心の中で誓った。いつも同じ道を同じペースで歩いていると、見えるものも限られてくる。少し寄り道をするだけで、こんなにも新しい発見があるんだから。