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朝、市場を歩いていると、淡い緑色の菜の花が目に飛び込んできた。束ねられた茎の先端には、まだ蕾が固く閉じているものと、黄色い花を咲かせ始めているものが混ざっている。手に取ると、茎がしっかりと張りがあって、葉の表面には朝露が残っていた。売り場の女性が「今朝採れたてよ」と笑顔で教えてくれる。その声の明るさに押されるように、二束を買い物かごに入れた。
家に戻って水で洗うと、菜の花特有の青々しい香りが立ち上る。この香りを嗅ぐたびに、祖母の家の裏庭を思い出す。春になると必ず、祖母は菜の花のおひたしを作ってくれた。「苦みが春を連れてくるのよ」と言いながら、丁寧に茹でる祖母の横顔が、記憶の中でぼんやりと浮かんでくる。
今日は少し違う方法を試してみようと思い、菜の花のペペロンチーノを作ることにした。オリーブオイルを温めたフライパンにニンニクを入れると、ジュワッという音とともに部屋中に香ばしい匂いが広がる。そこに菜の花を投入したのだが、