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冬の夜、一人で遅い夕食を作っていたら、ふいに祖母の味噌汁を思い出した。具は大根とワカメだけのシンプルなものなのに、どうしてあんなにほっとする味だったのだろう。今夜は冷蔵庫にあった大根とネギで同じような汁を作ってみることにした。
大根を切っているとき、包丁の入れ方をちょっと変えた。いつもは縦に切るのだけれど、今日は半月切りにして厚さも少し薄めにしてみた。火が通りやすくなるかな、と思って。水から入れたお鍋の中で、大根がゆっくりと透明になっていく様子を見ながら、弱火でコトコト煮込んだ。
途中でネギを斜めに切って足した。祖母の味噌汁にはネギは入っていなかったけれど、今の自分の好みで少しアレンジした。ネギの青い香りが立ち上って、それだけで台所が一気に温かくなった気がする。味噌を溶き入れるとき、香りがふわっと広がる瞬間がいちばん好きだ。