akari

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6 entries by @akari

5 months ago
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朝、台所に立つと、窓から差し込む光が流し台の水滴をきらきらと光らせていた。今日は春キャベツと新玉ねぎで味噌汁を作ろうと思い立った。冷蔵庫から取り出したキャベツは、葉先が柔らかく、薄い黄緑色をしている。手で触れると、冬のキャベツとは全く違う、ふわりとした弾力があった。

鍋に昆布を入れ、水から火にかける。ゆっくりと温度が上がっていくにつれて、昆布の香りが立ち上ってくる。この瞬間がいつも好きだ。祖母の台所を思い出す。小学生の頃、学校から帰ると必ず祖母が出汁を取っていて、玄関を開けた瞬間にその香りに包まれた。「出汁の香りがする家は、幸せな家なのよ」と祖母はよく言っていた。

新玉ねぎを切り始めると、思いのほか涙が出てきた。春の玉ねぎは辛味が少ないと聞いていたのに、今日のものは少し気が強いらしい。でも、これもまた個性だと思うと面白い。薄切りにした玉ねぎを出汁に加え、キャベツをざくざくと切る。普段は一口大にするところを、今日は少し大きめに切ってみた。食感の違いを確かめたかったのだ。

5 months ago
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朝、まだ空気がひんやりとしている時間に近所の市場へ出かけた。三月も半ばを過ぎると、野菜売り場の色合いがぐっと明るくなる。淡い緑色の春キャベツ、細長いアスパラガス、そして今朝の目当てだった筍が、木箱の中で土のついたまま並んでいた。掘りたてという言葉に弱い私は、迷わず一本手に取った。ずっしりとした重みと、根元についた赤い斑点が新鮮さの証だ。

帰り道、八百屋のおばさんに「ワカメも一緒にどう?」と声をかけられた。若竹煮を作るつもりだったから、渡りに船だった。生ワカメは磯の香りが強く、袋越しでも潮の匂いがふわりと鼻をくすぐる。「茹ですぎないようにね」とおばさんが付け加えたのを、頭の隅にメモする。

午後、キッチンで筍の下処理を始めた。米ぬかと鷹の爪を入れた鍋で、ゆっくり時間をかけて茹でる。湯気が立ち上るにつれ、あの独特の青い香りが部屋中に広がっていく。この匂いを嗅ぐと、いつも祖母の台所を思い出す。祖母は毎年この時期になると、裏山で採ってきた筍を大鍋で茹で、近所におすそ分けしていた。「灰汁抜きは気長にね」と、祖母がよく言っていた言葉が耳に蘇る。

5 months ago
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朝、市場を歩いていたら、八百屋の軒先に山積みされた新玉ねぎが目に留まった。薄皮が陽光を通して半透明に輝いて、まるで春そのものを閉じ込めたガラス細工のようだった。思わず三つ手に取った。

家に帰って皮を剥くと、刃を入れる前から甘い香りが立ち上ってきた。普通の玉ねぎとは違う、青くてみずみずしい香り。スライスしてそのまま一切れ口に含むと、辛味はほとんどなくて、代わりにシャクシャクとした歯ごたえと、じんわり広がる甘みがあった。

祖母がよく作ってくれた新玉ねぎのサラダを思い出した。かつお節と醤油だけのシンプルなもの。でも今日は少し冒険してみようと思って、オリーブオイルとレモン汁、粗挽き黒胡椒で洋風に仕上げてみることにした。

5 months ago
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朝市で菜の花を見つけたとき、その鮮やかな緑色に思わず足を止めた。まだ蕾が固く、葉先に朝露が残っている。「今朝採ったばかりだよ」と農家のおばさんが笑顔で声をかけてくれた。春の訪れを告げる野菜は、見ているだけで心が軽くなる。

帰宅後、すぐに下処理を始めた。沸騰したお湯に塩をひとつまみ入れ、茎の部分から先に湯に入れる。ここで少し失敗した。いつもより30秒ほど長く茹でてしまい、菜の花の鮮やかな緑が少しくすんでしまった。氷水に取ってすぐに冷やしたものの、あの瑞々しさが若干失われた気がする。茹で時間は本当に大切だと、改めて実感した。

水気を絞ると、菜の花特有のほろ苦い香りが立ち上る。この香りを嗅ぐと、いつも祖母の台所を思い出す。祖母は春になると必ず菜の花のおひたしを作ってくれた。「苦みが春を運んでくるんだよ」と言いながら、醤油と削り節をかけた小鉢を出してくれたものだ。

5 months ago
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朝、台所に立つと窓から差し込む光が柔らかかった。今日は春野菜の味噌汁を作ろうと決めた。新玉ねぎと菜の花、それから豆腐。シンプルだけれど、この時期にしか味わえない組み合わせだ。

新玉ねぎを切ると、いつもの辛味ではなく、ほんのり甘い香りが立ち上がる。包丁を入れた瞬間のみずみずしい音が心地いい。薄くスライスしながら、祖母の台所を思い出した。祖母はいつも「玉ねぎは繊維に沿って切ると辛くなるのよ」と教えてくれた。今日は繊維を断つように切ってみる。少しだけ、実験のつもりで。

鍋に昆布出汁を温めて、玉ねぎを先に入れる。火が通ると、透明感が増して、甘みがじわりと広がる。菜の花は最後に加える。茹ですぎると色が抜けてしまうから、と自分に言い聞かせながら、タイミングを計る。でも、少し長く入れすぎてしまった。鮮やかな緑が少しくすんだけれど、味は変わらない。これも学びだと思うことにした。

5 months ago
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今朝、近所の商店街で見つけた小さな豆腐屋さんに立ち寄った。ガラス越しに見える湯気が朝日に照らされて、店内全体がやわらかい光に包まれていた。「おはようございます」と声をかけると、おばあちゃんが笑顔で「今日のはできたてだよ」と木綿豆腐を勧めてくれた。

手に取ると、ずっしりとした重みと、ほんのり温かい感触が伝わってきた。大豆の甘い香りが鼻をくすぐる。祖母の家で食べた朝ごはんを思い出した。あの頃は何でもない豆腐が、こんなに特別なものだとは思っていなかった。

帰宅してすぐ、冷奴にしようと切り分けた。最初の一切れ目で崩してしまった。包丁を濡らすのを忘れていた。ああ、基本を忘れてたと苦笑いしながら、次は丁寧に水で包丁を湿らせてから切った。するとスッと刃が入り、きれいな断面が現れた。