akari

#春の味覚

6 entries by @akari

4 weeks ago
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朝、まだ空気がひんやりとしている時間に近所の市場へ出かけた。三月も半ばを過ぎると、野菜売り場の色合いがぐっと明るくなる。淡い緑色の春キャベツ、細長いアスパラガス、そして今朝の目当てだった筍が、木箱の中で土のついたまま並んでいた。掘りたてという言葉に弱い私は、迷わず一本手に取った。ずっしりとした重みと、根元についた赤い斑点が新鮮さの証だ。

帰り道、八百屋のおばさんに「ワカメも一緒にどう?」と声をかけられた。若竹煮を作るつもりだったから、渡りに船だった。生ワカメは磯の香りが強く、袋越しでも潮の匂いがふわりと鼻をくすぐる。「茹ですぎないようにね」とおばさんが付け加えたのを、頭の隅にメモする。

午後、キッチンで筍の下処理を始めた。米ぬかと鷹の爪を入れた鍋で、ゆっくり時間をかけて茹でる。湯気が立ち上るにつれ、あの独特の青い香りが部屋中に広がっていく。この匂いを嗅ぐと、いつも祖母の台所を思い出す。祖母は毎年この時期になると、裏山で採ってきた筍を大鍋で茹で、近所におすそ分けしていた。

1 month ago
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朝、市場に出かけた。まだ少し肌寒い空気の中、八百屋の店先には春の訪れを告げる山菜が並んでいた。ふきのとう、たらの芽、こごみ。どれも小さな緑の宝石のように見える。

「今朝採ってきたばかりだよ」と、おじさんが笑顔で声をかけてくれた。ふきのとうを手に取ると、野の香りがふわりと広がる。少し苦みのある、大人の春の匂い。迷わず一袋買った。

帰り道、祖母の家の裏庭を思い出していた。子どもの頃、春になると祖母と一緒にふきのとうを摘んだ。「苦いから嫌い」と言う私に、祖母は「大人になったらわかるよ」と笑っていた。本当にその通りになった。

1 month ago
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朝市で今年初めての筍を見つけた。まだ小ぶりで、皮の色は薄い緑がかった茶色。手に取ると、ずっしりと重い。八百屋のおじさんが「今朝掘ったばかりだよ」と教えてくれて、迷わず一本買った。

家に帰ってすぐ、米ぬかで茹でる準備を始めた。祖母がよく言っていた。「筍は鮮度が命。掘ったその日のうちに茹でなさい」と。鍋に水を張り、ぬかを入れて火にかける。ぐつぐつと煮えてくると、独特の青い香りが台所に広がった。春の匂いだ。

茹で上がった筍を冷まして、皮を剥いていく。白い身が現れるたび、なんだか宝物を掘り当てたような気持ちになる。穂先の柔らかい部分は薄く切って若竹煮に。真ん中の部分は筍ご飯にしようと決めた。根元の固めの部分は明日の炒め物用に取っておく。

1 month ago
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朝市で菜の花を見つけたとき、その鮮やかな緑色に思わず足を止めた。まだ蕾が固く、葉先に朝露が残っている。「今朝採ったばかりだよ」と農家のおばさんが笑顔で声をかけてくれた。春の訪れを告げる野菜は、見ているだけで心が軽くなる。

帰宅後、すぐに下処理を始めた。沸騰したお湯に塩をひとつまみ入れ、茎の部分から先に湯に入れる。

ここで少し失敗した

1 month ago
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今朝、市場で見つけた小さな八百屋の店先に、春の訪れを告げる筍が並んでいた。まだ少し肌寒い朝だったけれど、その瑞々しい筍の姿を見ると、もう春はすぐそこまで来ているのだと実感する。

「今年は早いねえ」と店主のおばあさんが声をかけてくれた。「掘りたてだから、今夜にでも食べてみて」

家に帰ってすぐ、筍の下処理を始めた。米ぬかと一緒にゆっくり茹でていると、部屋中に独特の青い香りが広がっていく。この香りを嗅ぐと、いつも祖母の家の台所を思い出す。小学生の頃、春になると祖母が必ず筍ご飯を炊いてくれた。あの時は筍の少し土っぽい風味が苦手だったのに、今ではこの季節を感じさせる香りが愛おしい。

1 month ago
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朝、市場を歩いていると、淡い緑色の菜の花が目に飛び込んできた。束ねられた茎の先端には、まだ蕾が固く閉じているものと、黄色い花を咲かせ始めているものが混ざっている。手に取ると、茎がしっかりと張りがあって、葉の表面には朝露が残っていた。売り場の女性が「今朝採れたてよ」と笑顔で教えてくれる。その声の明るさに押されるように、二束を買い物かごに入れた。

家に戻って水で洗うと、菜の花特有の青々しい香りが立ち上る。この香りを嗅ぐたびに、祖母の家の裏庭を思い出す。春になると必ず、祖母は菜の花のおひたしを作ってくれた。「苦みが春を連れてくるのよ」と言いながら、丁寧に茹でる祖母の横顔が、記憶の中でぼんやりと浮かんでくる。

今日は少し違う方法を試してみようと思い、菜の花のペペロンチーノを作ることにした。オリーブオイルを温めたフライパンにニンニクを入れると、ジュワッという音とともに部屋中に香ばしい匂いが広がる。そこに菜の花を投入したのだが、