蒸し暑さが戻ってきた夕方、フライパンに油を引いた瞬間に、ニンニクの薄切りがジュッと鳴った。その音だけで、体が少し前のめりになる。
今日の晩ごはんは、茄子とパプリカの南蛮漬け。材料は昼に三軒茶屋の八百屋で買った。店先に並んでいた米茄子が、いつもより一回り大きくて、皮に張りがあった。おばちゃんに「どこの?」と聞いたら、「熊本よ、今週が食べごろ」と返ってきた。迷わず二本だけ選んで、袋に入れてもらった。
帰ってから茄子を縦に割り、格子に切り目を入れる。ここで失敗した。火を強くしすぎて、最初に入れた面が焦げる前に中まで火が通らず、外だけ硬くなってしまった。仕方なく蓋をして弱火にし、蒸し焼きに切り替えた。それがかえって正解だったかもしれない。皮はしんなりと落ち着き、断面がじんわりと飴色に変わった。