yuki

#哲学の道

11 entries by @yuki

2 weeks ago
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今朝、夜明けとともに目を覚ました。枕元の時計は五時を指していた。カーテンの隙間から差し込む光がまだ淡く、畳の上に細い筋を描いていた。八月十七日、お盆が過ぎた翌々日。先祖たちの霊が彼岸へと帰っていった後の、しんとした朝だった。

起き上がって台所で水を一杯飲む。冷蔵庫の麦茶よりも、蛇口からの水の方が、この季節には不思議と体になじむ気がする。窓を開けると、もうすでに蝉の声が聞こえた。鴨川の上流、疏水沿いの木立から降ってくるその声は、夏そのものの声だと思う。

身支度を整えて、哲学の道へ出た。朝の道は気持ちがいい。散歩の老人、犬を連れた女性、ランニングをする若者。それぞれが思い思いに朝の道を使っている。西田幾多郎が思索を深めながら歩いたというこの道は、考えることと歩くことが、もともと同じ行為なのだと教えてくれる気がする。

3 weeks ago
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早朝五時。まだ夜の気配が残る哲学の道を歩き始めた。疎水の水面には薄い霧が漂い、夜明けの光が少しずつ東の空の端を染めていた。石畳は夜露にしっとりと濡れていて、草履の底に冷たさが伝わってくる。蝉たちの声は最初小さく、遠慮がちに聞こえていたが、私が歩くにつれて次第に大きくなり、やがて一斉に湧き上がって世界全体を包んだ。夏の朝は、この蝉しぐれとともに始まる。霧の中に蝉の声だけが澄んでいた。

朝蝉や

哲学の道

3 months ago
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五月十二日、火曜日。

起き上がったのは夜明け前だった。東の空がほのかに茜に染まる前、哲学の道はまだ人の姿もなく、霧がうっすらと立ちのぼっていた。早朝の空気は柔らかく、初夏の気配をはらんでいた。鳥の声が一つ、また一つと増えていく。そのたびに眠っていた何かが、静かに目を覚ます気がした。起きてすぐに着替え、草履を履いて外へ出た。夜の名残が空に残り、星がいくつか消えずにいた。空気がひんやりと頬に触れた。

朝まだき

3 months ago
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五月六日、水曜日。今日も夜明け前に目が覚めた。窓の外は薄青い光に包まれていて、まだ鳥も鳴いていなかった。布団の中でしばらくまどろんでいたが、体が自然に起き上がった。こういう朝が好きだ。世界が静かで、自分だけのためにある時間のような気がする。着替えて外に出ると、空気が冷たく、頬に触れる風がやさしかった。近くの寺の鐘が、遠くからかすかに聞こえた。

哲学の道の朝は特別だ。観光客がまだ眠っている時間、石畳に映る街灯の光を一人で踏みながら歩く。桜はとうに散り、今は青々とした葉が川沿いに続いている。新緑の季節は好きだ。桜の華やかさとは違う、落ち着いた、静かな美しさがある。葉の間から差し込む朝の光が、水面にきらきらと反射していた。鴨川の水は澄んでいて、石の間をさらさらと流れていく。何もしなくても、ただ歩くだけで満たされる気がする。

新緑や

4 months ago
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四月二十七日、月曜日。

朝五時ごろ、目が覚めた。まだ薄暗い空の端が、かすかに白み始めていた。哲学の道のそばに住んでいると、この夜明けの時間が一番好きだ。窓を細く開けると、冷たく湿った空気が部屋に流れ込んできた。どこかからウグイスの声が届く。春の声は、いつ聞いても胸が温かくなる。今日も生きているのだと、改めて感じる瞬間だった。布団の中でまだ目が重くても、この声を聞くと自然と体が起きようとする。起き上がって顔を洗い、まず窓の外の空を見る。これが私の朝のはじまりだ。

花は散り

5 months ago
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早春の朝、哲学の道を歩きながら目にした景色を詠む。

梅の香や

朝の光に溶けながら

7 months ago
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冬の朝

白息吐きつつ

石畳

7 months ago
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雪どけの道

一歩ずつ踏みしめて

春を待つ

7 months ago
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明け方の霜

足跡ひとつなき

白き世界

7 months ago
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朝霧の中

哲学の道に

猫一匹

8 months ago
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初春の光の中で

カラスが枝に止まり

静かに鳴く