五月十九日、火曜日。
夜明けとともに目が覚めた。障子の向こうが白み始め、小鳥の声が遠くから聞こえてきた。京都の五月は、朝の空気がまだ少し冷たく、それが心地よい。起き上がると、窓を開けた。庭の青楓が朝露に濡れて光っていた。今日も良い一日になりそうだと思った。
今朝も哲学の道を歩いた。朝六時半、人影はまばらだった。疏水沿いの道は、桜の季節とは違う静けさに包まれていた。花見客が去り、観光客もまだ少ない。この時間、この道は、少しだけ自分のものになる気がする。足音だけが石畳に響き、水の流れる音がそれに重なった。