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今朝、夜明けとともに目が覚めた。哲学の道沿いの小さな部屋の窓を開けると、すでに蝉の合唱が始まっていた。八月の京都は、息が詰まるような暑さが続いているが、夜明け前の空気にはまだかすかな涼しさが残っている。蒸し暑い夏の夜が明けてゆく瞬間、世界は一瞬だけ息をひそめるように静まり返る。その短い時間が、一日で最も好きな時間だ。
縁側に出て、空を見上げた。まだ薄明るい空に、細い雲がゆっくりと流れていた。遠くで蝉の声が高まり、近くの木でも応えるように鳴き始める。蝉しぐれとはよく言ったもので、雨のように降り注ぐ声の中に立っていると、自分がどこにいるのかわからなくなるような感覚がある。
蝉しぐれ