今朝、図書館へ向かう途中、古い石畳の道を歩いていた。足元から聞こえるかすかな足音が、何百年も前の人々の足跡と重なるような錯覚を覚えた。石の表面は長年の摩耗で滑らかになり、雨上がりの薄い水膜が朝日を反射している。 ふと、17世紀のオランダ東イ...
今朝、図書館へ向かう途中、古い石畳の道を歩いていた。足元から聞こえるかすかな足音が、何百年も前の人々の足跡と重なるような錯覚を覚えた。石の表面は長年の摩耗で滑らかになり、雨上がりの薄い水膜が朝日を反射している。 ふと、17世紀のオランダ東イ...
早朝の品川駅、改札を抜けると人の波がいくつもの流れに分かれていく。通勤ラッシュの時間帯なのに、なぜか今日は少しだけ空気が軽い気がした。改札の近くで立ち止まって観察していると、面白いことに気づいた。スマホを見ながら歩く人の流れと、前を向いて歩...
早朝の寺、 鐘の音が響く中、 花びら散る。 冬の朝日が 凍える石段に やさしく差して、 通る人影も薄く 過ぎてゆく時。 白い息吐く 哲学の道歩く、 一人の朝。 冷たい風が 街路樹の梢を揺らし、 静けさの中 凍った小川が そっと光りだす。 雪...
コンビニのレジで 客「すみません、これ温めてもらえますか?」 店員「はい、かしこまりました」 客「あ、ちょっと待って。やっぱり温めなくていいです」 店員「承知いたしました」 客「…いや、やっぱり温めてください」 店員「はい、温めますね」 客...
朝の光が窓を通り抜けるとき、それはただの白い光ではない。カーテンのレースを通過することで細かく分割され、床に映る影は繊細な模様を描く。その幾何学的なパターンを眺めながら、私はフランスの画家ピエール・ボナールの作品を思い出していた。彼は日常の...
冬の朝 湯気たつ茶碗に 白き息 --- 哲学の道 落ち葉踏む音 ひとりきり --- 冷たき風 竹林揺らす ひとしきり --- 雪化粧の 古寺の屋根 静けさよ --- 街灯に 舞う雪ひとひら 夜更けて --- 凍てつく朝 石畳の霜 光る跡 -...
朝一番に訪れた市場で、目に飛び込んできたのは紅ほっぺ。艶やかな深紅の果皮には、朝露がまだキラキラと光っていた。手に取ると、ふっくりとした果肉のハリが指先に伝わる。この瑞々しさ、これこそ旬の証だ。 鼻を近づけると、春を先取りしたような甘やかな...
今朝は5時半に目覚めた。カーテンの隙間から差し込む光がまだ薄暗く、外の空気がピンと張り詰めているのが分かる。窓を少し開けると、冷たい風が頬に触れて一瞬で目が覚めた。こういう瞬間が好きだ。体が「まだ寝ていたい」と言っても、心が「動け」と命じる...
冬の朝 白息吐きつつ 石畳 凍てた石 踏みしめるたび 音響く 冬木立 枝の先端 鴉一羽 街灯の 淡き光や 霜の道 鴨川に 氷の薄膜 朝陽射す 哲学の 道辿りつつ 雪を待つ 凍空や 寺の鐘の音 澄みわたり 路地裏の 猫丸まりて 日向ぼこ 温き...
朝、窓から差し込む光が床に細い線を描いていた。その光の中で埃がゆっくり舞っているのを見ながら、「考える」ということについてぼんやり考えていた。私たちは一日に何千回も何かを考えるけれど、その大半は自動的に流れていく。意識的に「今、私は何を考え...
昼下がりの商店街。小さな古書店の隣に、いつからあったのか気づかなかった小さな定食屋を見つけた。のれんには「旬菜食堂」と書かれた控えめな文字。店先から漂うだしの香りに引き寄せられるように、扉を開けた。 カウンター席に座ると、店主のおばあちゃん...
店員「お客様、こちらトイレットペーパーでございます」 客「あの、ティッシュペーパー買ったんですけど」 店員「申し訳ございません。お間違いでしたら交換させていただきます」 客「いや、レジ通した後に気づいたんですけど、ティッシュとトイレットペー...
階段の踊り場で、彼女は毎日待っている。 通学路の途中にある古い団地。昭和四十年代の建物で、住人のほとんどは高齢者だ。エレベーターはなく、薄暗い階段を上らなければならない。 私が毎朝その前を通るのは八時半。彼女がベランダに現れるのも、いつも同...
冬の朝 庭に降りつむ 白き雪 静寂包む 音なき世界 枯れ枝に ひとひら残る 紅葉かな 風に揺れつつ 命終えゆく 石畳 凍てつく朝の 足音は 空気を裂きて 孤独を告げる 茶室にて 湯気たちのぼる その先に 窓越しにみる 梅のつぼみよ 哲学の道...
レストランにて 客「すみません、この料理、まだですか?」 店員「お待ちください。今、シェフが愛情を込めて作っております」 客「愛情なんていいから、早く作ってください」 店員「かしこまりました。では無感情で作らせます」 5分後 店員「お待たせ...
朝の冷たさや 哲学の道をゆき 梅の香ひそか 白き息のぼる 川沿いの石畳に 鴨のひと声 冬の終わり 凍てつく池に 薄氷のひび走る 春を待つ音 木の芽膨らみ まだ眠る梅の枝 陽だまりに立つ 空の青さ増し 冬と春の境目を 風が知らせる 日暮れの一...
娘「お父さん、SNSって何の略か知ってる?」 父「え?えーと……すごく、に、にぎやかな、せいかつ?」 娘「ソーシャル・ネットワーキング・サービスだよ!」 父「そうか……でもお父さんの解釈も間違ってないよな。みんなやたら呟いてるし」 娘「それ...
朝の冷え込みに誘われるように、駅前の小さなたい焼き屋の前を通りかかった。湯気が立ち上る屋台からは、ほんのりと甘い香りが漂い、思わず足を止めてしまう。 「焼きたてです」と店主の笑顔に促され、一つ手に取ると、その重みに驚く。ずっしりとした手応え...
駅までの帰り道、いつもより遅くなってしまった。午後十時を回ると、この住宅街は街灯も少なく、人通りもまばらになる。 角を曲がると、見覚えのない路地が目に入った。こんな道、あっただろうか。毎日通っているはずなのに。でも確かに、この路地を抜ければ...
冬の寒さが本格的になってきたこの時期、無性に食べたくなるのが土鍋で炊く炊き込みご飯だ。今日は季節の牡蠣を使った「牡蠣めし」を作ってみた。 蓋を開けた瞬間、ふわっと立ち上る磯の香りと醤油の焦げた香ばしさが鼻をくすぐる。炊き上がったご飯の表面に...