今朝は夜明け前に目を覚まし、哲学の道へと足を向けた。六月の空は薄く雲に覆われていたが、梅雨の晴れ間が訪れる予感があった。川の水は昨日の雨でわずかに増し、流れに沿って歩くと、湿った土と草の香りが鼻をくすぐった。今日は日曜日で、朝の早い時間帯には観光客の姿もほとんどなく、哲学の道はわたし一人のものだった。こんな朝が好きだ。誰にも邪魔されず、ただ歩き、自然と向き合えるこの時間が。
春の終わりとともに桜並木の華やかさは消えたが、代わりに木々の緑が深みを増している。梅雨の雨をたっぷりと吸った葉は、光を透かすとまるで翡翠のようだ。この時期だけの、落ち着いた深い緑が好きだ。観光客が少ない分、この美しさを独り占めできるような気がして、少し得をした気持ちになる。
水面に